大林組、フィリピン設計企業と業務提携へ

2012/03/15

AIDEA社と先端BIM技術活用や人材交流で

 大林組(本社:東京都港区)は、AIDEAフィリピン社 (AIDEA社、本社:フィリピン・マカティ市)と、国内外でのさまざまな建設プロジェクトにおいて「BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)技術を活用し協力していくことや、人材交流による両社の事業体制の強化に向けた包括的業務提携の基本合意を締結した。


 近年、建物の生産性向上を目的としたBIM、いわゆる3次元の建物モデルのデータベースを建築の設計、施工から維持管理までの建物のライフサイクル全体のあらゆる場面で活用する手法が注目を集めている。BIMを活用することによって、発注者、設計会社、施工会社、専門工事会社など、建築プロジェクトに関わるチームが建物情報を共有し、最適な建物を建て、維持していくという共通目的の下、早期の合意形成や高品質の確保が容易となり、その普及が世界的に進んでいる。

 今後、BIM導入を加速させ、より高度な施工品質管理や、先進的な建設プロセスの構築を実現するためには、実務を通じた高いBIM技術力と多くの実績やノウハウの蓄積が必要となっている。

 AIDEA社は2005年に2次元CADからBIMソフトへの完全移行に成功しており、建設プロセスの生産性向上を目的としたBIM技術を設計から生産設計工程まで活用展開し、アジア、中東など世界50ヵ国以上で高度かつ多様な実績を上げつつ利益を創出している。

 今回の提携は、AIDEA社が有する実効性の高いBIM技術力を活用した多様な実績と、大林組の持つ高度な施工品質管理技術や設計施工における豊富なBIM 導入実績を組み合わせることで、国内プロジェクトはもちろんのこと、両社のグローバル展開への取り組みの一つとして、海外プロジェクトでの協働をめざすものである。

 特に人材交流については、既に大林組設計者がAIDEA社に出向し、進行中のプロジェクトを日本と共同でモデル入力をした実績もあり、今後も相互に年間最低4名の派遣や研修生の受け入れを予定しており、取り組みを加速させてく。

 大林組は、グローバルな視野で積極的にBIMを活用する環境を整え、先進的な業務プロセス改革で顧客の満足度をさらに向上させ、建設業におけるBIM推進のトップランナーをめざして行く方針である(12年3月14日の株式会社大林組プレスリリースより)。