ユニバーサルエンターテインメントが見解発表

2012/02/22

 フィリピン・カジノ事業での贈賄容疑に反論

 カジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場、以下UE社)と、UE社が間接出資している米国のカジノ運営企業ウィン・リゾーツ(ナスダック公開)との間の対立が激化している。


 対立が決定的になったのは、ウィン・リゾーツが、2月19日(現地時間)に、「UE社とその子会社アルゼUSA、及びUEの岡田和生会長が、フィリピンで推進中のカジノ事業において、米国腐敗防止法に抵触する不正行為を行ったことが明らかになった」と発表したことである。

 ウィン・リゾーツはアルゼUSAから19.6%の出資を受けており、岡田氏も取締役として名を連ねている。ウィン・リゾーツは不正行為があったとして、岡田氏のウィン・リゾーツ及びウィン・マカオの取締役辞任を要求すると共に、岡田氏、UE社、アルゼUSAをネバダ地区裁判所に提訴した。

 これに対し、UE社は2月22日に、「ウィン・リゾーツ社(NASDAQ:WYNN)に対する当社グループの見解について」というタイトルのIRリリースを行った。その内容は次の通り(以下『 』内は、UE社のIRリリースほぼ原文通り)。

 『ウィン・リゾーツ社は、調査会社(Freeh, Sporkin and Sullivan, LLP)調査員のフリー氏によってウィン・リゾーツ社の取締役会へ報告された調査報告書の写しを当社(UE社)の取締役会長でありウィン・リゾーツ社の取締役である岡田和生へ提供しなかったばかりか、弁明の機会すら与えず、一方的に取締役会において、当社、当社子会社のアルゼ USA 及び岡田和生について「不適格者」として決定しており、当社はこれらについて、ウィン・リゾーツ社のコーポレートガバナンスに極めて問題があると考えている。
 ウィン・リゾーツ社は、ウィン・リゾーツ社の取締役会長であるスティーブ・ウィン氏の主導のもと、ウィン・リゾーツ社の筆頭株主であるアルゼ USAをウィン・リゾーツ社から追放するべく、ウィン・リゾーツ社の取締役会において一方的に、当社、アルゼUSA及び岡田和生を「不適格者」と認定した上で、ウィン・リゾーツ社の定款の定めに基づき、アルゼUSAが保有するウィン・リゾーツ社株式の強制的な買い戻しを行う手続きを行ったものである。
当社としては、ウィン・リゾーツ社に対する投資を保護し、ウィン・リゾーツ社株式の強制的な買い戻しを妨げるために、あらゆる法的措置を講じていく』(12年2月22日の株式会社ユニバーサルエンターテインメント発表より)。