電動の公共交通車両、本格導入へ

2012/02/22

Eトライシクル本格導入計画承認
Eジープニーも初の有料化走行認可

 国家経済開発庁(NEDA)投資調整委員会(ICC)は、このほど、電動トライシクル(e-trikes)本格導入プロジェクトを承認した。このプロジェクトは、アジア開発銀行(ADB)支援によるもので、大気汚染防止と温暖ガス排出削減を目的としたものである。

 このプロジェクトの骨子は215億ペソを投入、全国で350万台以上稼働中とされているトライシクルのうち、10万台を電動トライシクルに置き換えるというもの。事業対象自治体はマニラ首都圏、ダバオ市、ボラカイ島、パラワン州プエルト・プリンセサ、ヌエバエシハ州バナトゥアン市である。既に、首都圏マンダルヨン市では試験走行が開始されている。

 なお、マニラ首都圏の大気汚染の80%は排ガスによるものである。特に、トライシクル、ジープニー、バスという公共交通機関の排ガスによる大気汚染が著しい。全国350万台以上のCO2排出量は年間1000万トン以上、輸入燃料代金は同50億ドルに達すると試算されている。したがって、電動トライシクル10万台の導入で、年間1億5,000万ドル超の燃料費節減につながると試算されている(12年2月21日の国家経済開発庁発表などより)。

 一方、2月22日付けフィリピン各紙電子版によると、陸運事業規制委員会 (LTFRB)は、初の電動ジープニー有料化走行、すなわち商業化を正式認可したとのことである。認可されたのは、首都圏マカティ市の2ルートであり、3月からこのルートで料金徴収が開始される。
 
 マカティ市では2007年に、東南アジア初の電気をエネルギー源とする公共輸送システム電動ジープニー(Eジープニー)の道路走行試験(無料)開始された。このEジープニー事業は、マカティ市役所、グリーン・リニューアブル・インデペンデント・パワー・プロデューサー(GRIPP)、環境団体グリーンピースなどによって開始された。

 試験走行は、ベルエアビレッジからロックウェルのショッピングモール「パワープラント」周辺を周回というルートで行われてきたが、ついに有料化が承認されたことになる。