フィリピン・カジノ事業での日系企業贈賄容疑で一段と混乱
2012/02/21
ユニバーサルエンターテインメントとウィン・リゾーツ対立激
米国のカジノ運営企業ウィン・リゾーツ(ナスダック公開)は、2月19日(現地時間)に、「日本のカジノ・娯楽関連企業であるユニバーサルエンターテインメント(旧社名アルゼ、ジャスダック上場)とその子会社アルゼUSA、及びユニバーサルエンターテインメント岡田和生会長が、フィリピンで推進中のカジノ事業において、フィリピン賭博公社(PAGCOR)に対する贈賄などの不正行為を行ったことが明らかになった」と発表した。
ウィン・リゾーツはアルゼUSAから19.6%の出資を受けており、岡田氏も取締役として名を連ねている。ウィン・リゾーツは不正行為があったとして、岡田氏のウィン・リゾーツ及びウィン・マカオの取締役辞任を要求すると共に、岡田氏、ユニバーサルエンターテインメント、アルゼUSAをネバダ地区裁判所に提訴した。
このウィン・リゾーツの動きに対し、ユニバーサルエンターテインメントは2月21日に、「ウィン・リゾーツ及び同社取締役会が、ユニバーサルエンターテインメント・グループに対して、実行した措置に対し、断固として対抗し、法的措置を講じていく」と強い反論の意を表明した。
ユニバーサルエンターテインメントが、強く反発しているウイン・リゾーツが実行した措置とは以下のことである。
1.ウィン・リゾーツがユニバーサルエンターテインメント及びアルゼUSAについて、ウィン・リゾーツの株主として不適格であると判断したこと
2.ウィンリゾーツが アルゼUSAが保有するウィン・リゾーツ株式19.6%を大幅にディスカウントして強制的に買い戻し。
この措置に関して、ユニバーサルエンターテインメントは、「ウィン・リゾーツの取締役会において、一方的に決定された不当なものである。また、ユニバーサルエンターテインメントの会長でありウイン・リゾーツの取締役でもある岡田和生氏は、ウィン・リゾーツが独自に委託した調査会社によってウィン・リゾーツ取締役会に報告された調査結果の内容を聞かされておらず、弁明の機会すら与えられていない。
このため、ユニバーサルエンターテインメント・グループは、アルゼUSAが保有しているウイン・リゾーツ株式の価値を保護し、当該株式の強制的な買い戻しを防止するために必要な措置を講じていく」とコメントした(2月21日のユニバーサルエンターテインメント発表などより)。