昨年のOFW送金7%増加、史上最高の201億ドル

2012/02/15

12月も6%増の18億ドル、3カ月連続の月間記録
日本からは3.5%増の9億1千万ドル、国別5位に

 フィリピン中央銀行(BSP)の発表(速報値)によると、2011年12月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行経由)は前年同月比6.2%増、前月比0.9%増の17億9,966万米ドルで、3カ月連続で月次ベースの史上最高を記録した。



 2011年年間(1~12月)のOFW送金額は前年比7.2%増の201億1,699万米ドルとなり予想通り最高記録を塗り替え200億ドル台を突破した。また、BSPの予想成長率(7%)を僅かに上回った。陸上ベースのOFWからの送金は5.5%増の157億7,658万米ドル(シェア78.4%)、海上ベースのOFWからの送金は14.0%増の43億4,042万米ドル(シェア21.6%)であった。

 OFWの現金送金額の対GDP比は約9%で、引き続き国内需要の活発化に大きく寄与している。欧州の債務問題や世界経済の逆風にもかかわらず、フィリピン人熟練労働者に対する海外の根強い需要が送金流入を下支え。また、内外の金融機関の送金ネットワークや金融サービスの継続的な拡充も安定した送金に繋がっている。2011年12月末現在、海外のOFW送金とタイアップしている銀行支店、コルレス銀行、送金センターの数は合計4,723店舗で、前年同月末の4,581店舗を3.1%上回った。

 12月の日本からのOFW送金額は6,271万米ドル。年間では前年比3.5%増の9億1,355万米ドル(シェア4.5%)で国別第5位となった。

 その他の送金元国別動向(年間)は、1位米国7.9%増の84億8,116万米ドル(シェア42.2%)、2位カナダ2.4%増の20億7,149万米ドル(10.3%)、3位サウジアラビア4.5%増の16億1,324万米ドル(8.0%)、4位英国7.6%増の9億5,664万米ドル(4.8%)、6位アラブ首長国連邦(UAE)13.3%増の8億7,798万米ドル(4.4%)、7位シンガポール7.5%増の7億8,924万米ドル(3.9%)、8位イタリア0.03%増の5億5,065万米ドル(2.7%)、9位ドイツ6.8%増の4億7,869万米ドル(2.4%)、10位ノルウェー5.4%減の3億5,276万米ドル(1.8%)と続く。

 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである(12年2月15日のフィリピン中央銀行発表より)。


海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金額推移(単位:百万米ドル)

項目 年間推移 11年/10年
03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年 11年 伸び率(%)
送金額 7,578 8,550 10,689 12,761 14,450 16,427 17,384 18,763 20,117 7.2
日本から 346 308 357 453 402 575 774 883 851 4.3



 月別海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金額推移(単位:百万ドル)

10年 11年
12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
送金額 1,694 1,477 1,501 1,617 1,616 1,688 1,737 1,715 1,670 1,734 1,777 1,783 1,800
前年同月比伸び率(%) 8.1 7.6 6.2 4.1 6.3 6.9 7.0 6.1 11.1 8.4 6.2 10.6 6.2

(出所: 中央銀行資料などより作成、2011年の数値は速報値)