パナソニック、フィリピンの業績不振
2012/02/14
9ヶ月間で17%減収、営業赤字21%拡大
家電部門の営業利益89%減の1,222万ペソ
パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月)が、2011年度9カ月間(2011年4月~12月)決算報告書を提出した。
PMPCの設立は1963年5月14日(旧名フェスティバル・マニュファクチャリング社)。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は、2011年9月末時点で79.96%である。
PMPCの2011年度9カ月間(2011年4月~12月)の純売上高は、前年同期比17.1%減の45億3,985万ペソにとどまった。家電などの需要低調、競争激化にくわえ、東日本大震災や福島原発事故にともなう第1四半期の輸入商品供給減少などが響いた。ちなみに、前年同期は輸入商品(プラズマ・ディスプレイパネル、液晶ディスプレー、SACインバータなど)の売上高が大幅増加したことなどで、12.5%増収であった。
損益面では、原材料価格上昇などで原価率が73.2%へと上昇した(前年同期は71.2%)。販売費を同28.6%減の8億5,205万ペソへと大幅削減したが、減収効果や原価率上昇を補い切れず、営業損益は3,055万ペソの赤字となり、前年同期の2,529万ペソから赤字が20.8%拡大した。
その他損益黒字が前年同期比58.3%増の5,740万ペソへ増加、税金引当が16.5%減の2,765万ペソへと減少したことで、純損失は同96.4%減の79万6000ペソへと急減したが、低調な決算であったといえる。
部門別売上高は、主力の家電部門が前年同期比9.0減の37億6,148万ペソ(構成比82.9%)、ネットワーク関連(映像・音響・コミュニケ―ション製品など)が同60.2%減の3億5,354万ペソ(構成比7.8%)、デバイスが同1.7%増の1億0,765万ペソ(構成比2.4%)、その他が同8.0%減の3億1,718万ペソ(構成比7.0%)であった。
部門別営業損益は、家電部門の黒字が同88.6%減の1,222万ペソへと急減した。一方、ネットワーク部門の赤字が同91.4%減の943万ペソへと縮小した。また、デバイス部門が451万ペソの赤字転落、その他部門の赤字が同18.7%増の2,883万ペソへと拡大した(パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの2011年度第3四半期報告書などより)。
パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの2011年度9カ月間の部門別売上高・損益動向(単位:千ペソ)
項目/部門 | ネットワーク | 家電 | デバイス | その他 | 合計 |
売上高 | 353,543 | 3,761,481 | 107,645 | 317,184 | 4,539,853 |
前年度同期比 | 60.2%減少 | 9.0%減少 | 1.7%増加 | 8.0%減少 | 17.1%減少 |
構成比 | 7.8% | 82.9% | 2.4% | 7.0% | 100.0% |
総利益 | 94,120 | 1,025,435 | 46,298 | 51,240 | 1,217,093 |
前年度同期比 | 61.8%減少 | 16.6%減少 | 10.2%増加 | 9.1%減少 | 22.7%減少 |
営業損益 | -9,432 | 12,221 | -4,506 | -28,830 | -30,547 |
前年度同期比 | 赤字91.4%減少 | 黒字88.6%減少 | 赤字転落 | 赤字18.7%拡大 | 赤字20.8%拡大 |
前年度同期実績 | -109,382 | 106,885 | 1,505 | -24,298 | -25,290 |