比いすゞ、小型トラックで13年連続首位、シェア69%に

2012/01/28

昨年のNシリーズ(エルフの海外仕様)販売16%増加

 今年で生産開始15周年を迎えるいすゞフィリピン(IPC)は、トラック市場首位の座を強固にしつつある。2011年は小型トラック市場で13年連続でのトップシェアを維持した。


 IPCが現在フィリピンで販売している小型トラックはNシリーズ(エルフの海外仕様車)。2011年のNシリーズ販売台数は1,196台で、前年の1,030台から16%増加した。そして、商用車カテゴリー3(小型トラック)市場でのシェアは69.4%に達し、前年の67.1%から一段と上昇した。

 また、フォーワードなど中・大型トラックの販売台数は前年比45%増の240台に達し、中・大型トラック市場でのシェアは24.8%で、前年の14.8%から大幅に上昇した。
 
 IPCはこのほか、アジア使用多目的車(AUV)の「クロスウィンド」5,029台、ピックアップの「D-MAX」2,500台、中型スポーツ多目的車(SUV)の「アルテラ」855台を販売、2011年の総販売台数は9,820台(市場シェア5.9%)となった。

 なお、クロスウインドは、フィリピン・オートフォーカス・ピープルズ・チョイス賞における、2011年度最優秀AUVに選出された。オート・フォーカスの年次モニタリング調査は、ウエブサイトや投票用紙による消費者の投票によって、最も人気の高いモデルなどを選出するものである。2005年に同賞が発足して以来、クロスウインドが最優秀AUVに選出されるのは5回目のことである。そして、2008年には全車種のなかでの最優秀車にも選出されている。

 さらに、IPCは、小型トラックNHRを小型バス型とする i-VANボディー・オプションを発表した。このオプションは、NHRを12人~18人乗りの小型バス化するという選択を与えるものであり、オプション行使後の小型バスはジープニーの代替車両として注目されている。そして、省エネ・環境保全、乗車効率向上、快適さ向上、公共輸送システム近代化などに寄与するものと期待されている。

 IPCは、ディーゼル技術や優れた商用車提供による産業界の発展に貢献するとともに、植林、アグリ・フォレストリー(森林農業、)促進など環境保護、社会・地域貢献事業にも注力している。

 また、2008年11月発足のレイテ島タクロバン市のTESDA(技術教育技能開発庁)自動車整備士養成学校の設立、運営を支援してきている。IPCは貧困地域在住の有能な若者の中から奨学生を選抜し、フィリピン自動車業界の発展に貢献する自動車整備士を育成することで、フィリピン国内における貧困の解消、特に若年層における失業者の解消に寄与していく考えである。

 なお、IPCの主要株主は、いすゞ自動車と三菱商事でともに35%出資している。IPCの設立は1995年8月、同年にフィリピンでの工場起工式を執り行い、1997年に正式落成、生産を開始した(いすゞフィリピンズウエブサイトなどより)。