日本、フィリピンへ宇宙産業使節団
2012/01/16
オールジャパンの官民合同ミッション
三菱商事、伊藤忠、NEC、JAXAなど
衛星活用防災システム構想などを紹介
経済発展を続ける新興国は、宇宙分野においても今後有望な市場である。
日本経済産業省は、まだ宇宙分野で日本企業の市場開拓が進んでいない地域を訪問し、新規市場の開拓のきっかけ作り、ニーズの把握を行うため、2月13日~16日にかけて、アジア(フィリピン・バングラデシュ)へ宇宙産業の官民合同ミッションを派遣する。これまで、アフリカ、南米、アジア(モンゴル・カンボジア)を訪問してきており、今回で4回目の派遣となる。
東日本大震災後、衛星を活用した防災システムに注目が集まっている。フィリピンでは昨年7月の日・ASEAN外相会議において、日本から提案した“ASEAN防災ネットワーク構築構想”を紹介する予定である。また、フィリピン同様、災害の多いバングラデシュでも防災を始め、農業管理、森林管理、通信など宇宙システムの活用方法、日本の宇宙技術等を紹介する予定である。官民一体となって、日本の宇宙システムを売り込むことにより、日本の宇宙産業の海外展開を後押しし、インフラ・システム輸出に貢献する方針。
近年、宇宙の利用は、新興国を含めて世界的に拡大しており、宇宙産業における新興国の市場をめぐった各国間の競争も激しくなってきている。
フィリピンは、災害が多く、リモート・センシング技術の研究も行っており、ASEAN防災ネットワーク構築構想の提案国の一つである。また、バングラデシュは洪水等の災害が多く、農業、漁業、森林監視等にも衛星データの利用ニーズあると見込まれている。今後、日本企業の事業展開の相手として有望なこの2国にミッション団を派遣することにより、宇宙産業の海外展開の促進を図る。
日本経済産業省がリードするミッション団の団長は、日本電気株 執行役員常務の西村知典氏。予定参加メンバーは以下の通り(順不同)。
・民間企業:IHI、IHI エアロスペース、スカパーJSAT、日本電気(株)、三菱電機(株)、(株)パスコ、日立製作所、三菱重工業、 NPO 法人大学宇宙工学コンソーシアム(UNISEC)、有人宇宙システム、三菱商事、住友商事)、伊藤忠商事(
・関係団体:(独)宇宙航空研究開発機構(JAXA)、(財)リモート・センシング技術センター(RESTEC)、(財)資源・環境観測解析センター(ERSDAC)、(財)無人宇宙実験システム研究開発機構(USEF)、(社)日本航空宇宙工業会(SJAC)
・関係府省:経済産業省、文部科学省、総務省
なお、フィリピン現地では、下記機関とワークショップを開催する予定である。
フィリピン先端科学技術研究開発会(PCASTRD)、宇宙技術調整審議会/宇宙技術応用委員会(STCC-COSTA)、最先端科学技術研究所(ASTI)、市民防衛局国家災害調整委員会(OCD-NDCC)、国家地図資源情報庁(NAMRIA)、フィリピン火山地震研究所(PHIVOLCS)、フィリピン天文気象庁(PAGASA)、鉱山地質局(MGB)、科学技術省、環境資源省、農政省(12年1月16の日本経済産業省発表より)。