ホンダ、フィリピンの自動車生産再開
2012/01/10
1月は試運転、2月から本格生産へ
現地生産車シティの新モデル発表
本田技研工業のフィリピンにおける四輪車拠点であるホンダカーズ・フィリピン(HCPI)は、1月10日に、首都圏マカティ市アヤラ・トライアンングルにおいて、サブコンパクト・セダン「シティ」2012年モデルの発表会を実施した。アヤラグループのアヤラ・オートモ―ティブがホンダ車の有力販売店ということもあって、アヤラ・トライアンングルでの開催となった。
シティ2012年モデルは、3代目シティの改良版である。ホンダは1996年に、フィリピンで初代シティを発売。2003年には2代目へ、そして、2009年に3代目へとモデルチェンジした。発売以来、シティは、フィリピンのサブコンパクト・セダンセグメントで、ベストセラーとして君臨してきている。
特に、3代目シティは、、カー・オブ・ザ・イヤー賞(COTY)、オートフォーカス・ピープルズ・チョイス賞(AFPC)におけるサブコンパクトカー・オブ・ザ・イヤー等多くの賞を獲得するなど人気を博している。ちなみに、初代はシティは6年間で2万2,214台、2代目は6年間で2万1,438台販売に対し、3代目は2009年からの3年間で2万4,109台販売されている。
今回発表されたシティ2012年モデルは更に人気を高めそうである。外観は、クロームを強調した新デザインのグリルを採用、前後バンパーやテールランプもデザイン変更され、精悍さを増している。また、居住空間も拡がるととともに、内装もクローム活用などで重厚さ、快適さが高められるとともに、オーディオ・コントロール機能がハンドルと一体化されており、安全性・利便性が増している。さらに、エコドライブ・インディケーター・ランプも装備され、省エネ運転意識が維持されるようになっている。
安全面で、特筆すべきは、デュアル(運転席と助手席)SRSエアバッグが、サブコンパクトクラスとして初めて、標準装備されたことである。また、EBD(電子制御制動力配分システム)アンチロック・ブレーキシステム(ABS)も標準装備されている。エンジンは、出力・燃費・環境対応の全方位にわたって進化を遂げた i-VTECエンジン(1.3Lと1.5Lの2種類)が搭載されている。
参考販売価格は、1.3 Sマニュアル車が74万6,000ペソ、1.3 Sオートマティック車が78万6,000ペソ、1.5 Eオートマティック車が83万6,000ペソとなっている。
HCPIの夏目達也 社長兼最高経営責任者(CEO)は、この発表会において、タイ洪水の影響による供給不足という状況のなか一貫して支援を継続してきた顧客や関係者に対して謝意を表するとともに、『“Honda is Back!” with the launch of the New City 』と宣言、生産が再開されつつあることを明らかにした。
HCPIは、昨年11月3日に、「タイ洪水被害によるの部品供給の制約により、フィリピンでの生産を一時休止する」と正式発表、昨年末まで生産が停止されてきた。しかし、現在ではタイの洪水が引き、ホンダオートモービル(タイランド)の生産再開、周辺国への製品・部品供給の目途が立っている。
このような状況を受けて、HCPIも新年からフィリピンの生産活動を再開した。1月は、洪水前の在庫部品などを活用した少量生産(シティ2012年モデル展示車生産など)、謂わば 試運転にとどまるが、2月から本格的な生産再開となるもよう。ちなみに、シティは現地生産車であり、2012年モデルもフィリピンで生産される