丸紅の比電力合弁企業、官民連携で電化推進

2011/12/23

チーム・エナジーとエネルギー省、新協力覚書締結
ソーラー等代替エネで辺境地域の未電化解消へ

 丸紅と東京電力の合弁発電企業であるチーム・エナジーは、フィリピン最大級の独立系発電企業(IPP)であると同時に、フィリピン全土、特に辺境地域の電化に大きく貢献してきていることで知られている。

 チーム・エナジー財団(TEFI)のフェデリコ・プノ理事長と、エネルギー省(DOE)ホセ・アルメンドラス長官は、12月16日に首都圏タギグ市のF1ホテルにおいて、ケソン州ポリーリョ群島電化計画におけるTEFIとDOEの間の官民協力行動の延長に関する覚書に署名した。

 これまでTEFIは、Household Electrification Assistance through Renewable Technology and Social Preparation for the Upliftment of Lives (HEART&SOUL)プログラムに基づき、太陽光発電利用により、ケソン州ポリーリョ群島のブルデオス町、パトナヌングン町、パヌカラン町の5つの辺境バランガイ(最小行政区)3,400戸の家庭の電化を実現した。

 16日に締結された覚書では、上記のポリーリョ群島のバランガイにおいて依然未電化世帯として残されている3,023世帯を、20ワットピーク(Wp)の家庭太陽光発電装置で電化すると謳われている。この電化計画は、2012年第2四半期に完了見込みである。

 なお、チーム・エナジーは2001年7月25日に、社会的貢献機関{チーム・エナジー財団(TEFI)」を設立した。TEFIでは、国家規模の問題を解決するために、フィリピン政府と協調しつつ自らの事業レベルで様々な活動・支援を行ってきているが、代表的なプロジェクトの一つに、国家電化支援(プロジェクト・ビーコン)が挙げられる。これは民間企業が行っている最も大きな社会的発展プロジェクトの一つであり、2007年12月に最後のバランガイ(最小行政区)の電化が完工した。実績として、1万8,000km以上の電線と6万本以上の電柱の敷設、1万軒の太陽光家庭発電が導入され、約30万世帯、100万人以上のフィリピン人に便益をもたらした。

 2007年末に最後のバランガイの電化が完工したものの、そのバランガイのなかには、依然未電化地域・家庭が残された。そして、プロジェクト・ビーコンの後継プロジェクトとして、代替エネルギーなどを活用した辺境地区電化プロジェクトであるHEART&SOULプロジェクトが発足した。

 HEART&SOULプロジェクトは、フィリピン政府による2017年までに全世帯の90%電化実現という目標に沿ったものであり、引き続きTEFIが重要な役割を果たしている(11年12月22日のフィリピンエネルギー省発表より)。