製造業活動、9月も伸び悩み続く

2011/11/27

生産数量1.2%増、金額2.9%増にとどまる

 国家統計局(NSO)は11月25日、主要製造業605社からの聞き取り調査による2011年9月の生産・販売動向の速報値を発表した(今回発表数字は回答数497社で回答率82.1%時点での集計値)。
 

  産業月次調査の速報値によると、11年9月の生産金額指数(2000年=100、以下同様)は前年同月比2.9%上昇で、前月の2.2%から僅かに上昇したが、伸び率は依然鈍い。主要20部門のうち14部門(家具・備品、石油製品、ゴム・プラスチック製品、タバコ製品、化学薬品、飲料、皮革製品、その他製品、紙・紙製品、組立金属製品)が前年同月比二桁成長となったが、ベースメタルの落ち込み(14.4%低下)などが響いた。

 一方、生産数量指数は前年同月比1.2%上昇で、前月の同1.7%からより伸びが一段と鈍化した。成長に寄与した部門は、家具・備品をはじめ、その他製品、飲料、化学薬品、皮革製品、タバコ製品、ゴム・プラスチック製品、紙・紙製品、組立金属製品、電気機械類であったが、。ベースメタルの生産数量減少などが響いた。

 9月の純販売金額指数は前年同月比11.5%上昇。成長に寄与した部門は、石油製品、タバコ製品、ゴム・プラスチック製品、その他製品、靴・衣料、印刷・出版、化学薬品など。対前月伸び率は1.8%低下だった。

 一方、純販売数量指数は9.8%上昇で、前月より伸び率が鈍化。成長に寄与した部門は、家具・備品、タバコ製品、その他製品、石油製品、ゴム・プラスチック製品、靴・衣料、印刷・出版、化学薬品、飲料など。また、対前月比では2.4%低下。

 平均設備稼働率は83.2%で前月(改定値)から横這いだったが、前年同月(83.1%)からは0.1%ポイント上昇した。稼動率90%以上の企業の割合は15.3%、稼働率が70%-89%の企業の割合は61.1%で全体の約6割を占めた。50%以下の企業の割合は5.3%であった。

 なお、この聞き取り調査は対象企業数が少なく回答企業数が月によって異ったり、回答提出が遅れるという問題点がある。さらに、過去の数字が大幅に改定されるケースがあることに留意する必要がある。また、生産数量と設備稼働率の整合性という観点からも疑問が残る。今回発表の11年9月分も次回11年10月分発表時にかなり改定されているはずである(11年11月25日のフィリピン国家統計局発表より)。

        11年9月製造業活動状況
全製造業   8月 9月
 生産指数   (2000年=100) 対前年同月変化率%
  金額 2.2 2.9
  数量 1.7 1.2
 純販売指数  (2000年=100)
  金額 16.6 11.5
  数量 16.0 9.8
 出荷価格指数(2000年=100) 0.5 1.6
平均設備稼働率 実績(%) 83.2 83.2
注:11年8月の数値は全て改定値

      2011年9月設備稼働率分布状況 (%) 

設備稼働率 11年9月
50%以下 5.3
50%- 59% 7.4
60% - 69% 10.9
70% - 79% 19.4
80% - 89% 41.7
90% - 100% 15.3


         製造業設備平均稼働率推移(単位:%)
10年 11年
9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
稼働率 83.1 83.3 83.3 83.4 82.8 82.8 83.2 82.8 83.2 83.2 83.3 83.2 83.2
 (上記の表の出所:全て国家統計局資料より)