外資直接投資認可額、日本が第1位に

2011/11/23

9カ月間で319億ペソ(シェア36.6%)
合計では前年比9.9%増の873億ペソ

 2011年第3四半期(7~9月)の政府4投資機関による外資直接投資(FDI)認可総額は前年同期比32.0%増の250億ペソ

 そのうち、機関別でシェアの大きかったフィリピン経済区庁(PEZA)は前年同期比20.2%増の116億ペソ(シェア46.2%)、次いで投資委員会(BOI)17.2%増の107億ペソ(42.6%)、クラーク開発公社(CDC)12倍増の21億ペソ(8.6%)、スービック湾広域庁(SBMA)8倍増の7億ペソ(2.7%)とそれぞれ前年同期を上回った。FDI認可による推定雇用創出数は前年同期比21.2%増の2万5,643人。

 業種別認可額では、トップは製造業の前年同期比20.4%減の96億ペソ(シェア38.4%)、第2位は電気・ガス・空調供給部門で11.0%増の51億ペソ(20.4%)、第3位は不動産部門で11倍増の48億ペソ(19.3%)となった。
 
 FDI認可額国別順位は、第1位が日本の97億ペソ(シェア38.6%)で前年同期の53.5%増。単車やサイディングボードの製造プロジェクトなど製造業への投資が主だった。第2位は韓国の45億ペソ(18.0%)、3位は米国の20億ペソ(8.2%)で、主に電気・ガス・空調・農林水産業における金融プロジェクトへの投資。

 第3四半期(Q3)のFDI認可額内訳(単位:億ペソ)

投資機関 10年Q3 11年Q3 シェア(%) 伸び率(%)
投資委員会(BOI) 91 107 42.6 17.2
経済区庁(PEZA) 96 116 46.2 20.2
スービック湾広域庁(SBMA) 1 7 2.7 681.7
クラーク開発公社(CDC) 2 21 8.6 1,141.2
合計 190 250 100.0 32.0
(出所:国家統計調整委員会資料より、注:シェアは2011年第3四半期のもの)

[2011年年初9カ月間(1~9月)動向]

 2011年年初9カ月間(1~9月)の政府4投資機関によるFDI認可総額は前年同期比9.9%増の873億ペソ
で、そのうちの半分強(52.7%)を占めたのがPEZAだった。

 PEZAは前年同期比22.9%増の460億ペソ(シェア52.7%)、投資委員会(BOI)は74.0%増の219億ペソ(25.1%)とそれぞれ伸びた。一方、クラーク開発公社(CDC)は23.1%減の186億ペソ(21.3%)、スービック湾広域庁(SBMA)は84.6%減の8億ペソ(0.9%)と二桁の減少となった。FDI認可による推定雇用創出数は前年同期比43.6%増の9万8,781人。

 業種別認可額では、トップが製造業の前年同期比11.3%減の524億ペソ(シェア60.1%)、第2位は不動産部門で192.4%増の115億ペソ(13.1%)、第3位は電気・ガス・空調供給部門で20.6%増の101億ペソ(11.6%)、第4位は管理・支援サービス部門で56.7%増の62億ペソ(7.1%)だった。
 
 国別順位では、第1位が日本の319億ペソ(シェア36.6%)。次いで米国の170億ペソ(19.5%)、オランダの93億ペソ(10.6%)。

 年初9カ月間(1~9月)のFDI認可額内訳(単位:億ペソ)
投資機関 10年 11年 シェア(%) 伸び率(%)
投資委員会(BOI) 126 219 25.1 74.0
経済区庁(PEZA) 374 460 52.7 22.9
スービック湾広域庁(SBMA) 52 8 0.9 -84.6
クラーク開発公社(CDC) 242 186 21.3 -23.1
合計 794 873 100.0 9.9
(出所:国家統計調整委員会資料より、注:シェアは11年のもの)

 なお、上記数値はあくまでも投資認可額であり、中央銀行が発表する実際の投資流入額とは全く異なるものである。ちなみに、中央銀行は2011年年初8カ月間(1~8月)の累計外人直接投資(FDI)純流入額が前年同期比19.2%減の8億1,000万ドルと発表している(11年11月22日のフィリピン国家統計調整委員会発表より)。