フィリピンの男女平等度アジアトップ、世界8位に

2011/11/02

教育水準、健康・寿命の平等度では世界トップ
135カ国対象WEF報告書、日本98位、韓国107位

 スイスの経済研究機関「世界経済フォーラム(WEF)」は11月1日に、世界各国の政治、社会、経済面での男女格差を総合的に評価した「男女格差(ジェンダーギャップ)報告書」2011年版を発表、そのなかで、男女平等度を指数化、ランキングしている。

 2011年版の平等度ランキングは、1.経済への参画・機会、2.教育機会、3.健康や寿命、4.政治への関与・権限という4大分野(各分野にはさらに細分化された調査項目がある)について、135カ国の男女格差を比較している。

 2011年男女平等度トップはアイスランド、2位ノルウェー、3位フィンランド、4位スエーデン。ベスト4は前年と全く同じ順位であった。以下、5位アイルランド、6位ニュージーランド、7位デンマーク、8位フィリピン、9位レソト王国、10位スイスと続く。アジアではスリランカ31位、モンゴル36位が比較的上位にある。ドイツは11位、英国は16位、米国は17位であった。

 アジア主要国の順位は、シンガポール57位、タイ60位、中国61位、バングラデシュ69位、ブルネイ76位、ベトナム79位、インドネシア90位、マレーシア97位、日本98位、モルディブ101位、カンボジア102位、韓国107位、インド113位、ネパール126位、パキスタン133位など。
 日本は、女性の約半数が高等教育を受けているが指導的立場にいる女性は10%未満であり、女性の能力が生かされていないと指摘され、韓国とともに非常に低い評価となっている。

 上記のようにフィリピンの男女平等度はアジアトップ、世界第8位と高い評価を受け、2010年の世界9位から1ランク上昇した。2006年~2008年の連続6位からはやや低下しているがアジアの中では断トツの平等度である。経済発展途上国と先進国を単純に比較することは難しいが、フィリピンでは社会全般に女性の参画が進展していると判断されている。 

 フィリピンの男女平等度の項目別動向は、経済への参画・機会で世界15位、教育水準では世界第1位、健康・寿命でも世界第1位、政治への関与・権限では世界第16位とランクされている。
 特に教育に関しては、全ての項目で世界トップとなっている。1.識字率は女性が男性の1.01倍、2.初等教育入学率は女性が男性の1.02倍、3.中等教育進学率は女性が男性の1.19倍、4.高等教育進学率については女性が男性の1.24倍となっており、全て世界トップであり、逆不平等といえるほど女性の教育機会が高くなっている。
 
 健康・寿命に関しても、1.出生男女比率が女性対男性比率0.95で1位、平均余命で女性が男性の1.08倍で1位となっている。また、経済への参画・機会においては、労働参画率で94位と低い評価であるが、管理職比率(男性の1.21倍)と専門・技術職比率(男性の1.64倍)で1位となっている(11年11月1日の世界経済フォーラム発表より)。