フィリピン人口急増続く、今年9490万人

2011/10/27

ASEANでインドネシア2億4230万人に次ぐ
80年後にほぼ倍増の1.8億人でピークか

 国連人口基金(UNFPA)は10月26日に、2011年版「世界人口白書」(副題、人口70億人の世界:一人ひとりの可能性)を発表した。

 この10月31日に世界人口が70億人に達すると推計されている。1999年の60億人から12年間で10億人増加することになる。2011年版「世界人口白書」においては、我々が今どのように行動するかによって、世界が健康で、持続的で、豊かな未来になるか、あるいは不平等で、環境が衰退し、経済的に後退するかが決まる、と述べている。

 2011年版「世界人口白書」によると、2011年の推定世界総人口は69億7400万人。内訳は、先進工業地域12億4040万人、開発途上地域57億3340万人、後発開発途上国8億5110万人。
 
 2011年の国別人口トップは中国の13億4760万人。以下、2位インドの12億4150万人、3位米国の3億1310万人、4位インドネシアの2億4230万人、5位ブラジルの1億9670万人と続く。日本は1億2650万人で、昨年と同様10位であった。

 世界総人口は2050年までに93億人、2100年までに100億人に達する見通し。特に出生率の高い国々で出生率がわずかでも上がれば、2050年に106億人、2100年に150億人に達する可能性もある。

 なお、インドは2021年に人口14億人に達し、13億9000万人と推計される中国を追い越して、世界で最も人口が多い国となる。中位推計に基づけば、その後、中国の人口は2050年に約13億人に減少し、インドでは2060 年代はじめまで増加が続いて約17億人に達した後、下降線をたどる。

 2011年のアジア・太平洋地域の人口は39億2420万人と推計されている。東南アジア人口最大国はインドネシアで2億4230万人。以下、フィリピン9490万人、ベトナムの8880万人、タイ6950万人と続く。

 2011年のフィリピン人口9490万人は、2010年白書での9360万人から130万人増加となっている。フィリピン人口は、2007年まではベトナムに続き東南アジア第3位あったが、2008年に2位に浮上、それ以降ベトナムとの差を広げている。フィリピンの2010年から2015年の平均人口増加率は1.7%と高水準で推移すると予想されており、同1%のベトナムとの差が一段と拡大することになりそうだ。

 ちなみに今年5月に発表された、「世界人口推計改定版」によると、フィリピンの人口は1950年の1840万人から2000年7731万人、2010年9326万人、そして2011年9490万人へと急増している。さらに、2050年には1億5500万人、2070年には1億7300万人、2090年には1億7850万人(2010年比91%増)へと拡大すると予想されている。2090年以降、緩やかに減少に転じ、2100年時点では1億7800万人になると見込まれている。

 フィリピンの年間平均人口増加率は1950年~1965年は3%台であった。2005年~2010年は2.03%、2005年~2010年は1.76%へ鈍化している。今後も鈍化傾向を辿り、2085年~2090年に0.04%とほぼ横這いとなり。2090年~2095年マイナス0.02%、2095年~2100年マイナス0.06%と僅かながら減少に転ずると予想されている(11年10月26日の国連人口基金=UNFPA発表などより)。