中堅企業経営者景況感、フィリピンが世界最高に

2011/10/27

景況感DIは84、2位のチリ61に大差、世界平均は3
日本5年連続最下位:太陽ASGの39カ国同時調査

 有力会計・監査グループである太陽ASGグループ(グラント・ソントン加盟事務所)が、第11回「中堅企業経営者景況感意識調査」~世界39カ国同時調査~を発表した。


 それによると、世界39カ国の自国経済の今後1年の見通しに関する2011年第3四半期の景況感平均DI(「良い」の回答から「悪い」の回答を引いた数値の割合)は、前回調査(2011年第2四半期)の31から28ポイントも急低下し3となった。また、調査対象国のうち、G7、アジア太平洋諸国など日本とのつながりが大きい主要26カ国における、2011年第3四半期の同DIは19となり、前回調査37から18ポイント低下した。

 主要26カ国のうち景況感DI上位国は、フィリピン84、チリ61、カナダ60、インド59、ドイツ56など。なおフィリピンは、全体の景況感が大幅低下する中で、前回調査の76から8ポイント上昇、順位も前回の4位から1位へと上昇、それも断トツの首位となった。
 
 一方、景況感がマイナスを示した国は、イタリア-20、台湾-20、英国-22、スペイン-34、ギリシャ-52、日本-69など。日本は、この調査において5年連続で景況感が調査対象国中最下位となった。日本の最下位は国内政治の先行き、内需縮小、世界経済の影響、為替変動などが主要因。震災による日本経済への影響は和らいでいるものの、未だ根強く残っている。

 景況感が上昇したのはマレーシア(対前回調査比+40)、ブラジル(同+10)、スペイン(同+9)、フィリピン(同+8)、オーストラリア(同+2)。一方景況感が低下したのはイタリア(対前回調査比-66)、フランス(同-63)、台湾(同-58)、米国(同-43)、アイルランド(同-40)、中国(同-29)、インド(同-29)など。

 地域別にみると、すべての地域の景況感が悪化している。ラテンアメリカ平均DIは54で、地域間比較の中で最も良い景況感であるものの、前回から2ポイント低下。EU加盟国(13カ国)平均DIは0で前回調査の34に比べ34ポイント悪化した。一方、G7平均DIは-8で、前回から35ポイント減となり、欧米を中心に、悲観的な見通しがさらに増した(11年10月27日のグラントソントン太陽ASG株式会社プレスリリースより)。