中央銀行、20日に政策金利と預金準備率据え置き決定

2011/10/20

 

 中央銀行(BSP)金融委員会は、10月20日の定例会議(年10回開催)において、政策金利である翌日物金利の据え置きを決定した。

  すなわち、翌日物借入金利は4.5%、翌日物貸出金利は6.5%が継続される。翌日物金利は、前回9月8日、前々回7月28日、前々々回6月16日の定例会議に続き4回連続で据え置かれた。その前の3月24日と5月5日には2回連続で各々0.25%引上げられたという経緯がある。

 また、預金準備率は前回に続き、2回連続で据え置きが決定された。預金準備率引上げは市中の流動性吸収による引締め効果を有するが、今回も不要と判断された。

 今回、政策金利、預金準備率が据え置かれた背景は、インフレ懸念がかなり後退し、2011年の年間インフレ率がインフレ目標の3~5%内に収まる可能性が高まったこと。また、国内外の景気が鈍化傾向にあり、世界的に金融市場が混乱していることも、追加引締め策実施を回避させた。

 一時期よりインフレ懸念は後退したが、高水準の市中流動性、活発な銀行融資活動などがインフレ圧力を再び高めるリスクは残っている。したがって、中央銀行はそのような事項を注視し、必要に応じた措置を講ずる方針である。

 なお、12月1日に2011年最後の金融委員会定例会議が行われる(予定である(11年10月20日のフィリピン中央銀行発表などより)。

インフレ目標と実績(実績は2000年基準)
2008年 2009年 2010年 2011~13年
公式インフレ目標 3.0~5.0% 2.5~4.5% 3.5~5.5% 3.0~5.0%
インフレ率実績 9.3%(実績) 3.2%(実績) 3.8%(実績)
(出所:中央銀行資料より作成)