8月のOFW送金11%増加、今年初の2ケタ増加

2011/10/17

 フィリピン中央銀行(BSP)の発表(速報値)によると、2011年8月のフィリピン人海外就労者(OFW)からの本国送金額(銀行経由)は前年同月比11.1%増、前月比2.6%減の16億7,007万米ドルであった。



 2011年8カ月間(1~8月)の累計OFW送金額は前年同期比6.9%増の130億2,119万米ドル。陸上ベースのOFWからの送金は5.0%増の102億0495万ドル、海上ベースのOFWからの送金は14.4%増の28億1,624万ドルであった。海外の労働環境は悪化したものの、フィリピン人熟練労働者に対する根強い需要に支えられた。国内外の金融機関の送金ネットワーク・金融サービス拡充の継続的取り組みが安定した送金に大いに寄与している。

 8月の日本からのOFW送金額は7,951万米ドル。年初8カ月間累計では前年同期比4.9%増の6億2,016万米ドル、全体の4.8%を占め国別第5位となっている。

 その他の送金元国別動向(年初7カ月間)は、1位米国6.5%増の54億8,432万米ドル(シェア42.1%)、2位カナダ1.4%増の13億1,095万米ドル(10.1%)、3位サウジアラビア2.0%増の10億1,930万米ドル(7.8%)、4位英国7.8%増の6億2,772万米ドル(4.8%)、6位シンガポール6.1%増の5億1,751万米ドル(4.0%)、7位アラブ首長国連邦(UAE)11.8%増の5億3,333万米ドル(4.1%)、8位イタリア1.1%増の3億5,695万米ドル(2.7%)、9位ドイツ2.9%増の3億1,363万米ドル(2.4%)と続く。日本を含むこれら上位9カ国で送金総額の82.8%を占めた。

 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである(11年10月17日のフィリピン中央銀行発表より)。

 

              海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金額推移(単位:百万米ドル)

  年間推移 1月~8月
03年 04年 05年 06年 07年 08年 09年 10年 10年 11年 伸び率%
送金額 7,578 8,550 10,689 12,761 14,450 16,427 17,384 18,763 12,182 13,021 6.9
日本から 346 308 357 453 402 575 774 883 591 620 4.9



 

 月別海外フィリピン人労働者(OFW)からの送金額推移(単位:百万ドル)

10年 11年
8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月
送金額 1,503 1,601 1,674 1,613 1,694 1,477 1,501 1,617 1,616 1,688 1,737 1,715 1,670
前年同月比(%) 9.8 10.6 9.3 10.5 8.1 7.6 6.2 4.1 6.3 6.9 7.0 6.1 11.1

(出所: 中央銀行資料などより作成、10年、11年の数値は速報値)