いすゞフィリピン、エコ森林農業を支援
2011/10/17
14周年記念事業の一環、WWFと協力
生産開始14周年を迎えたいすゞフィリピンズ(IPC)は、創業記念事業の一環として、フィリピンのアグリ・フォレストリー(森林農業、混農林業)促進を支援している。
アグロ・フォレストリーとは、樹木を植栽し、その樹間で家畜・農作物を飼育・栽培する森林農業である。熱帯林を切り払って、単一の商品作物を大量生産するプランテーション型の農業は、病虫害が起きやすく持続するのが難しい。その観点から、熱帯雨林の生態系の特徴である生物多様性にならって、なるべく多彩な生物の生育を組み合わせる考え方がアグロ・フォレストリーである。天然資源管理と貧困緩和の鍵となる熱帯での持続可能な経営形態として注目されている
IPCは例年、創業記念事業として植林等の社会貢献事業を実施している。今年は、世界自然保護基金(WWF)フィリピンのアグリ・フォレストリー・プロジェクトに協力している。さる9月28日に、IPCとWWFフィリピンは、ルソン島北部イサベラ州イラガン地区での40ヘクタールに及ぶアグリ・フォレストリー基盤作りのためのマンゴーやウンシュウミカンの植林を行うと共に、地域の農民に対する植林技術講習などを行った。
なお、IPCの主要株主は、いすゞ自動車と三菱商事でともに35%出資している。IPCの設立は1995年8月、同年にフィリピンでの工場起工式を執り行い、1997年に正式落成、生産を開始した。
IPCは、環境保護、社会貢献、社会意識向上などに積極的に取り組んでいる。例えば、2003年にはラグーナ湖にティラピアの幼魚1万匹放流、2005年にはケソン州で植林事業(ナラ木の苗木1万5千本)、2006年にはパンガシナン州アラミノスで5ヘクタールにわたるマングローブ植林、2007年には公園保全・緑化キャンペーンなどを実施している。また、国内の100万ヘクタール分の熱帯雨林を2020年までに元の姿に戻す活動に取り組んでいる。
さらに、2008年11月発足のレイテ島タクロバン市のTESDA(技術教育技能開発庁)自動車整備士養成学校の設立、運営を支援してきている。IPCは貧困地域在住の有能な若者の中から奨学生を選抜し、フィリピン自動車業界の発展に貢献する自動車整備士を育成することで、フィリピン国内における貧困の解消、特に若年層における失業者の解消に寄与していく考えである(11年10月14日のいすゞフィリピンズ発表などより)。