村田製作所、フィリピンに300億円投資意向か

2011/10/16

 近年、電子機器の高機能化やスマートフォン・タブレットPCなど新たなアプリケーションの普及・伸長により電子部品の需要は拡大しており、今後も更なる拡大が予想される。

 そうした中、村田製作所では高まる供給責任に応えるため、海外生産の拡大や生産拠点の拡充を検討してきた。そしてこのほど、豊富で定着率の高い労働力の確保、アセアン等新興国市場を見据えた立地という観点から、フィリピンに新たな海外生産拠点を設立することを決定した。

 村田製作所は、フィリピン・バタンガス州タナウアン市ファースト・フィリピン・インダストリアルパーク内に生産子会社「フィリピン・マニュファクチャリング・コーポレーション・オブ・ムラタ」を設立、2013年1月を目途にチップ積層セラミックコンデンサ(MLCC)生産を開始、順次生産品目を拡大する

 「フィリピン・マニュファクチャリング・コーポレーション・オブ・ムラタ」の当初資本金は3億5000万ペソ(約6億2千万円)、村田製作所が99.99%出資。敷地面積は22万7,646平方メートルである。事業内容は ムラタグループ製品の生産とされている。

 10月15日付けフィリピン・インクワイアラー紙などによると、村田製作所は、上記のようなフィリピンでの生産開始、その後の増産、生産品目の拡大などのために、今後6年間で4億米ドル(約300億円)を投資する意向とのこと。グレゴリー・ドミンゴ貿易産業相が「9月末のアキノ大統領訪日時に、村田製作所が今後6年間の対フィリピン投資額は4億ドルに達するであろうと表明した」とコメントしたとのことでもある。