東芝、フィリピンでの製造・販売基盤強化が進展

2011/10/02

13年のシェア、液晶テレビ20%、ノートパソコン12%目標

 東芝は、近年堅調な経済成長を持続するフィリピンにおける事業体制を強化するため、今年4月1日に販売会社東芝フィリピン社[Toshiba(Philippines),Inc」を設立した。事業内容は液晶テレビ・ノートパソコン・白物家電製品のマーケティング・販売・アフターサービスとされている。

 東芝は、従来、フィリピンにおけるデジタルプロダクツ事業や白物家電事業において、商品別に現地の販売代理店やディストリビュータを通じた販売活動を進めてきたが、それらの事業を束ねる販売会社を現地に設立することにより、より地域密着型のマーケティング体制を構築し、フィリピンの顧客ニーズにきめ細かく対応した商品開発と提供を図るとともに、それら商品のアフターサービスにおいても、顧客サポート窓口の一本化を図り、顧客満足度の強化に取り組む。

 この新販売会社である東芝フィリピン社が、このほど本格的な営業活動を開始、9月28日にはマニラ首都圏で新商品発表会を開催した。発表会では、13.3インチ型で世界最軽量・最薄のノートパソコン、東芝初の7インチ型アンドロイドタブレット端末、55インチのグラスレス(裸眼)3D液晶テレビなどが紹介された。

 フィリピン経済は、近年個人消費の伸びに支えられ堅調な成長を続けており、今後も、液晶テレビ、ノートパソコンや高付加価値の白物家電商品など、民生用市場の大幅な伸長が予想される。東芝によると、2011年度については液晶テレビが前年度比倍増(台数ベース)、ノートパソコンが同24%増(台数ベース)、冷蔵庫が前年度比8%増(台数ベース)の成長が見込まれている。
 また、2010年~13年までの年間平均成長率は液晶テレビが49%、ノートパソコンが26%と予想されている。本格販売が開始されたタブレット端末については2011年~13年までの年間平均成長率が43%と見込まれている。

 東芝は、この有望なフィリピン市場において、現地のニーズに合致した商品を提供するとともに、新会社の東芝フィリピン社を軸に拡販を図っていく。そして、2013年度に液晶テレビ販売28万台、シェア20%(現在5%弱)、ノートパソコン販売20万5000台、シェア12%、タブレット端末3万~4万台、シェア10%を目指す。

 一方、東芝のハードディスク・ドライブ(HDD)やソリッドステート・ドライブ(SSD)の製造拠点であるフィリピン現地法人の東芝情報機器フィリピン社[Toshiba Information Equipment(Philippines),Inc]は生産能力を拡大させるとともに、総合的な生産管理体質を向上させている。

 既報の通り、東芝情報機器フィリピン社は、社団法人日本能率協会(JMA)が今年創設したアジア・日本の優秀工場表彰制度「GOOD FACTORY賞」における「ファクトリーマネジメント賞」の受賞が決定している。東芝情報機器フィリピン社の受賞理由として、次の点が挙げられた。
1.工場のマネジメントにあたって、コミュニケーションを基盤にそれぞれの機能要素の管理レベルを高めながら、総合的な工場管理体質として高い水準を実現している
2.小集団活動や現場における“KAIZEN”をとおして拡大する生産量に合わせたローコストオートメーションを展開し、プロセスイノベーションを実現している
3.ボトムアップを促すしくみづくりが的確に行われている
 さらに、審査員からは、「現地法人の在り方として一つの目標となるべき工場といえる」と高く評価された。

 以上のように、東芝グループのフィリピンにおける製造、販売両面での基盤拡充が進展しつつあるといえよう(東芝ワールドワイドウエブサイトなどより)。