日本のNPO、フィリピンでフードバンク創設

2011/09/27

 フィリピン社会福祉開発省(DSWD)は、「セコンド・ハーベスト・ジャパンとの間で、フィリピンでフードバンクを創設することで合意、覚書に署名した」と発表した。

 セカンドハーベスト・ジャパンは、食品会社などから提供を受けた食品を、生活困窮者に供給する活動などを目的とした特定非営利活動法人(NPO)である。食品関連企業や個人からまだ安全に消費できるにも関わらず、規格外、包装不備など様々な理由で流通できなくなり商品価値を失った食品を無償で引き取り、それを生活困窮者や福祉施設・団体に無償で届けるフードバンク活動を展開している。

 日本では毎年500万トン~900万トンの食べ物がまだ安全に食べられるにも関わらず廃棄されている。一方で日本でも貧困線以下の生活を強いられている人たちが数十万人いる。フードバンクは、そうした食べ物を支援を必要とする人たちに運び有効に使ってもらう活動である。提供を行う企業にとっても、廃棄に掛かる金銭的な費用を抑制できるだけでなく、食品廃棄物の発生を抑え、福祉活動に貢献しているという面でCSRの取り組みともなり、企業価値の向上にもつながってくる。

 このようなフードバンクをフィリピンでも設立し、貧困者の飢えを緩和しようというのが今回の覚書の趣旨である。ただし、供給される食料は未開封で賞味期限が残っており安全性が確認されるものに限る。フィリピンでの第1回目の提供品目は75トンのコメとソイミールとなる見込み(11年9月26日のフィリピン社会福祉開発省発表などより)。