8月の国際総合収支黒字、18倍の27億ドルへ急増
2011/09/19
8カ月間で2.7倍の90億ドル、年間目標68億ドル上回る
急ピッチの海外からの資金流入などを反映
中央銀行速報値によると、2011年8月の月間国際総合収支(BOP)は27億1,900万ドルの黒字で、前年同月の1億5,100万ドルの黒字から1700%増(18倍)の大幅増加となった。前月(2011年7月)の12億7,000万ドルの黒字からも約2.1倍へと急増した。なお、最近2010年の数値が全面改訂された。
2011年8カ月間(1~8月)の国際総合収支の累計黒字も、前年同期比166.3%増(約2.7倍)の90億0,500万ドルと大幅増加した。大幅黒字の主要因は、急ピッチの海外からの投資資金流入である。例えば、8カ月間の海外からのポートフォリオ投資(金融商品投資)勘定純流入額は前年同期比230.2%増(約3.3倍)の31億ドルへと急増している。
このほか、政府による3月の15億ドルのドル建て外債発行や、1月の12億5000万ドル相当のペソ建て外債発行など海外市場での大型資金調達も、黒字拡大の大きな要因となっている。
中央銀行は、2011年の年間国際総合収支を68億ドルの黒字と予想してきたが、その予想を大幅に上回るようなペースでの黒字拡大となっている。また、年間黒字最高記録を大幅に更新した2010年(143億ドルの黒字)の8カ月時点を大幅に上回る黒字となっている(11年9月19日のフィリピン中央銀行発表などより)。
フィリピン国際総合収支推移(単位100万ドル)
年間 | 1~8月 | ||||||||||||
年 | 01年 | 02年 | 03年 | 04年 | 05年 | 06年 | 07年 | 08年 | 09年 | 10年 | 10年 | 11年 | 伸び率 |
国際総合収支 | -202 | 810 | 115 | -280 | 2410 | 3769 | 8557 | 89 | 6421 | 14308 | 3381 | 9005 | 166.3% |
対GNI比 | -0.2% | 0.8% | 0.1% | -0.2% | 1.9% | 2.5% | 4.6% | 0.0% | 2.9% | 5.4% | |||
対GDP比 | -0.3% | 1.0% | 0.1% | -0.3% | 2.3% | 3.1% | 5.7% | 0.1% | 3.8% | 7.2% |
(出所:中央銀行資料より作成、2010年の年間、月間数値ともに全面改訂)