7月の失業率7.1%、前年同月の7%から小幅悪化
2011/09/16
首都圏10.9%で最悪、カラバルソンも10.4%と高水準
失業者の53%が若者、43%が大学進学・卒業者
不完全就業率は19.1%に悪化(前年同月17.9%)
当地では、労働統計は1月、4月、7月、10月と毎年4回発表されるが、今回2011年7月の労働雇用率、失業率等が算出された。なお、当地では10月は年末年始商戦に向けての一時的就業者増加効果で失業率が低下傾向となる。一方、4月は新卒者の労働市場参入により労働力人口が増加することで失業率が上昇しがちである。このように、季節的要因で失業率が季節毎に大きく変動することから、前年同月との比較でないとあまり意味をなさないことに留意する必要がある。
{2011年7月の労働統計}
国家統計局は9月15日、2011年7月の失業率(速報値:2000年国勢調査に基づいた人口予測を使って算出)が7.1%となり、前年同月の7.0%から0.1%ポイント悪化したと発表した。
2011年7月の15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)6,205万4,000人のうち労働力人口は約3,990万人で、労働力参加率は64.3% 。就業者数は前年同月比2.4%増の3,710万7,000人、失業者数は4.2%増の282万2,000人。2011年7月の就業率は92.9%で前年同月の93.0%から0.1%ポイント低下した。
就業者3,710万7,000人のうち、農業部門が32.6%(前年同月33.8%)、サービス部門が52.2%(51.3%)、鉱工業部門が15.2%(14.9%)を占める。雇用源としてのサービス部門の重要性が高い。就業形態比率は、賃金労働者が56.3%(前年同月53.4%)、自営・事業主33.0%(34.5%)、無給家庭内労働者が10.7%(12.0%)であった。就業者全体に占めるフルタイム就業者及び週40時間以上の就業者の比率は64.9%で、前年同月の64.5%から0.4%ポイント上昇した。
就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事が必要などの不完全就業者数は前年同月比9.1%増の709万5,000人。率で見ると19.1%で前年同月の17.9%から1.2%ポイント上昇した。
失業者数282万2,000人のうち、15歳~24歳の失業者数が53.1%(前年同月52.4%)を占めており若者の失業者数の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が28.1%(28.4%)。また学歴別では、大学進学・卒業者が42.6%(前年同月43.2%)、ハイスクール進学・卒業者44.1%(44.0%)を占める。性別では男性62.6%(前年同月62.6%)、女性37.4%(37.4%)。
地域別で失業率が最も高いのはマニラ首都圏で10.9%。以下、カラバルソン(10.4%)、中央ルソン(9.6%)と続く。失業率が最も低かったのは、カガヤンバレー(2.4%)、次いでサンボアンガ島(3.3%)。不完全就業率が高いのはビコール(34.3%)、カラガ(25.2%)など。不完全就業率が低いのは中央ルソン(10.8%)。一方、就業率が一番高かったのはカガヤンバレー(97.6%)、次いでサンボアンガ島(96.7%)で、最も低かったのがマニラ首都圏(89.1%)である (11年9月15日のフィリピン国家統計局発表より)。
フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)
11年7月の地域別就業率・失業率の比較(単位:%)
(出所・国家統計局より作成、11年7月は速報値)
失業者の53%が若者、43%が大学進学・卒業者
不完全就業率は19.1%に悪化(前年同月17.9%)
当地では、労働統計は1月、4月、7月、10月と毎年4回発表されるが、今回2011年7月の労働雇用率、失業率等が算出された。なお、当地では10月は年末年始商戦に向けての一時的就業者増加効果で失業率が低下傾向となる。一方、4月は新卒者の労働市場参入により労働力人口が増加することで失業率が上昇しがちである。このように、季節的要因で失業率が季節毎に大きく変動することから、前年同月との比較でないとあまり意味をなさないことに留意する必要がある。
{2011年7月の労働統計}
国家統計局は9月15日、2011年7月の失業率(速報値:2000年国勢調査に基づいた人口予測を使って算出)が7.1%となり、前年同月の7.0%から0.1%ポイント悪化したと発表した。
2011年7月の15歳以上の人口(2000年国勢調査基準)6,205万4,000人のうち労働力人口は約3,990万人で、労働力参加率は64.3% 。就業者数は前年同月比2.4%増の3,710万7,000人、失業者数は4.2%増の282万2,000人。2011年7月の就業率は92.9%で前年同月の93.0%から0.1%ポイント低下した。
就業者3,710万7,000人のうち、農業部門が32.6%(前年同月33.8%)、サービス部門が52.2%(51.3%)、鉱工業部門が15.2%(14.9%)を占める。雇用源としてのサービス部門の重要性が高い。就業形態比率は、賃金労働者が56.3%(前年同月53.4%)、自営・事業主33.0%(34.5%)、無給家庭内労働者が10.7%(12.0%)であった。就業者全体に占めるフルタイム就業者及び週40時間以上の就業者の比率は64.9%で、前年同月の64.5%から0.4%ポイント上昇した。
就業者であっても十分な労働時間に満たず追加の仕事が必要などの不完全就業者数は前年同月比9.1%増の709万5,000人。率で見ると19.1%で前年同月の17.9%から1.2%ポイント上昇した。
失業者数282万2,000人のうち、15歳~24歳の失業者数が53.1%(前年同月52.4%)を占めており若者の失業者数の多さが目立つ。次いで25歳~34歳が28.1%(28.4%)。また学歴別では、大学進学・卒業者が42.6%(前年同月43.2%)、ハイスクール進学・卒業者44.1%(44.0%)を占める。性別では男性62.6%(前年同月62.6%)、女性37.4%(37.4%)。
地域別で失業率が最も高いのはマニラ首都圏で10.9%。以下、カラバルソン(10.4%)、中央ルソン(9.6%)と続く。失業率が最も低かったのは、カガヤンバレー(2.4%)、次いでサンボアンガ島(3.3%)。不完全就業率が高いのはビコール(34.3%)、カラガ(25.2%)など。不完全就業率が低いのは中央ルソン(10.8%)。一方、就業率が一番高かったのはカガヤンバレー(97.6%)、次いでサンボアンガ島(96.7%)で、最も低かったのがマニラ首都圏(89.1%)である (11年9月15日のフィリピン国家統計局発表より)。
フィリピンの雇用・失業者動向(単位:千人)
10年7月 | 11年7月 | ||
15歳以上人口 | 60,928 | 62,054 | |
労働力参加率 | 63.9% | 64.3% | |
就業者数 | 36,237 | 37,107 | |
就業率 | 93.0% | 92.9% | |
失業者数 | 2,709 | 2,822 | |
失業率 | 7.0% | 7.1% | |
不完全就業者数 | 6,502 | 7,095 | |
不完全就業率 | 17.9% | 19.1% |
11年7月の地域別就業率・失業率の比較(単位:%)
地域 | 労働力参加率 | 就業率 | 失業率 | 不完全就業率 |
マニラ首都圏 | 63.0 | 89.1 | 10.9 | 14.4 |
内陸自治区 | 68.3 | 95.3 | 4.7 | 13.5 |
1-イロコス | 61.9 | 92.1 | 7.9 | 18.7 |
2-カガヤンバレー | 68.0 | 97.6 | 2.4 | 13.6 |
3-中部ルソン | 61.3 | 90.4 | 9.6 | 10.8 |
4A-カラバルソン | 63.3 | 89.6 | 10.4 | 17.2 |
4B-ミマロパ | 69.8 | 96.2 | 3.8 | 23.2 |
5-ビコール | 63.8 | 94.6 | 5.4 | 34.3 |
6-西部ビサヤ | 65.0 | 94.0 | 6.0 | 24.4 |
7-中部ビサヤ | 66.8 | 93.7 | 6.3 | 18.8 |
8-東部ビサヤ | 65.0 | 95.3 | 4.7 | 24.8 |
9-サンボアンガ半島 | 66.3 | 96.7 | 3.3 | 23.7 |
10-北部ミンダナオ | 69.4 | 94.8 | 5.2 | 22.3 |
11-ダバオ地域 | 65.7 | 94.2 | 5.8 | 18.6 |
12-ソックサルジェン | 67.8 | 95.5 | 4.5 | 21.5 |
カラガ | 65.2 | 94.1 | 5.9 | 25.2 |
ミンダナオ・イスラム教徒自治区 | 54.1 | 96.3 | 3.7 | 11.2 |
フィリピン全体 | 64.3 | 92.9 | 7.1 | 19.1 |