8月インフレ率4.7%(06年基準)への寄与度

2011/09/07

食料等1.98%、住宅光熱費1.15%、交通費0.54%

フィリピン中央銀行は9月6日、これまでの2000年基準と6月から導入された2006年基準の両基準による2011年8月のインフレ率及びインフレ寄与度を発表した。

2011年8月の総合消費者物価(CPI)上昇率(対前年同月比)は2000年基準で4.3%(前月4.6%)、2006年基準で4.7%(前月5.1%)とそれぞれ前月から鈍化。2011年1~8月の平均インフレ率は2000年基準で4.3%、2006年基準で4.8%と共に政府のインフレ率目標(3~5%)及び中央銀行(BSP)の8月予想(3.9~4.8%)圏内にとどまった。

2006年基準のCPIに基づくと、8月のインフレ率が鈍化したのは、国内の供給量が豊富で砂糖や野菜の価格が下落し食糧のインフレ率が低下したことが主な要因。また、世界市場の石油価格の下落で国内の石油製品価格が値下がりしたのもインフレ率の鈍化に寄与した。

テタンコ中央銀行(BSP)総裁は、「最新のインフレの動向は政策全般にわたり扱いやすいインフレ環境という中央銀行の評価と一致している。いかなるインフレ圧力の可能性も察知できるよう国内外の様々な状況を注意深く監視していく」と強調した。

中央銀行によると、2011年8月の総合インフレ率(2006年=100)4.7%への寄与度は、食料・非アルコール飲料1.98%、住宅・光熱・燃料1.15% 、交通費0.54%、外食・サービス他0.38%、教育0.17%だった。

一方、2000年基準のインフレ率4.3%への寄与度は、飲食料・煙草費1.83%ポイント、そのうち食料のみでは1.66%ポイント(うちコメが0.16%ポイント)だった。その他の寄与度は光熱費0.56%ポイント(そのうち燃料が0.41%ポイント)、サービス費1.07%ポイント、住居費0.39%ポイント、衣料費0.09%ポイントだった(11年9月6日のフィリピン中央銀行発表より)。

新基準の11年8月インフレ率 (前年同月比、前年同期比)と寄与度 (2006年=100 )
項目 物価指数
構成比
8月 2011年1~8月
インフレ率 寄与度 平均インフレ率 寄与度
総合 100.00 4.71 4.71 4.76 4.76
食料・非アルコール飲料 38.98 5.08 1.98 5.76 2.24
酒類・煙草 2.00 6.27 0.13 4.91 0.10
衣料・靴類 2.95 3.83 0.11 3.52 0.10
住宅・光熱・燃料 22.47 5.11 1.15 5.00 1.12
家庭用品・営繕 3.22 2.62 0.08 2.46 0.08
健康・医療 2.99 3.31 0.10 3.26 0.10
交通費 7.81 6.91 0.54 5.81 0.45
通信費 2.26 -0.43 -0.01 -0.22 0.00
娯楽・文化 1.93 1.52 0.03 1.24 0.02
教育 3.36 5.07 0.17 4.71 0.16
外食・サービス他 12.03 2.18 0.38 2.68 0.32
(出所:中央銀行資料より作成)


旧基準の11年8月インフレ率(前年同月比、前年同期比)と寄与度 (2000年=100)
項目 物価指数
構成比
8月 2011年1~8月
インフレ率 寄与度 平均インフレ率 寄与度
総合 100.00 4.25 4.25 4.29 4.29
飲食料・煙草 50.03 3.66 1.83 3.99 2.00
食料 46.58 3.57 1.66 4.02 1.87
うちコメ 9.36 1.66 0.16 1.56 0.15
衣料費 3.00 2.86 0.09 2.21 0.07
住居費 16.80 2.33 0.39 2.20 0.37
光熱費 6.95 8.10 0.56 8.93 0.62
うち燃料 2.35 17.31 0.41 13.44 0.32
サービス費 15.89 6.73 1.07 5.93 0.94
その他 7.33 1.45 0.11 1.22 0.09
(出所:中央銀行資料より作成)