日本郵船のフィリピン商船大学、日本で初の認定取得

2011/09/05

日本国土交通省「機関承認制度」での船員教育機関として
卒業生は日本籍船乗船に個別海技能力の確認不要に


日本郵船がフィリピンにおけるビジネスパートナーのトランスナショナル・ダイバーシファイド・グループ(TDG)と共同運営する商船大学「NYK-TDGマリタイムアカデミー」が、日本国土交通省が創設した「機関承認制度」における船員教育機関として、日本で初めての認定を取得した。

この制度は、適切な教育訓練を行っていると国土交通大臣が認定した諸外国の船員教育機関を卒業した者に対して、従来から実施している承認試験など個々の能力確認を要せずに、日本籍船の船舶職員(船長・航海士または機関長・機関士)として乗り組むことを認めるものである。

今回認定されたのは、NYK-TDG マリタイムアカデミーとフィリピン国立商船大学(PMMA)、フィリピン国内最大の海員組合や世界各国の民間団体らが支援するアジア・太平洋海事大学(MAAP)の計3校である。

認定に当たりNYK-TDG マリタイム・アカデミーは国交省による現地調査を受け、船舶の運航または機関の運転に関する課程を設置し、海技資格取得に対応した船員教育を適切に実施していることが確認された。この認定は、9月16日に卒業式が予定されている第一期生(116人)から適用されることとなる。

なお、NYK-TDGマリタイムアカデミーは2007年6月に、日本郵船の創業120周年記念事業の一環として、マニラ近郊カンルーバン市開校された。このマリタイムアカデミーは「フィリピン高等教育庁」の認可を取得した正式な大学であり、3年間の講習と1年間の乗船実習の全寮制の4年制商船大学である。 一学年の定員は、航海科と機関科、夫々60名の計120名、講師は約30人(非常勤含む)。理念として、「学生個々の人格形成と実践的な海事技術の習得を中心にした世界に通用する船員の高等教育を行う」と掲げられている。

なお、トランスナショナル・ダイバーシファイド・グループは1976年に現会長のデルガド氏により設立された企業グループで、船舶の代理店業と船員供給・教育事業に加えて、航空事業や物流事業を行う。日本郵船とは、設立時から協力関係にある(11年9月2日の日本郵船株式会社ニュースリリースなどより)。