横浜タイヤ・フィリピン、社会貢献活動一段と拡充

2011/09/02

横浜ゴムは、この8月26日に、横浜ゴムグループのCSR(企業の社会的責任)活動をまとめた「CSRレポート2011(全32ページ)」を発行した。また、ウェブ版の「CSRレポート2011」を8月29日にホームページの「CSR(環境・社会)活動」(URL:http://www.yrc.co.jp/csr/index.html)に掲載した。

横浜ゴムグループは、「社会からゆるぎない信頼を得ている地球貢献企業になる」ことをCSR経営ビジョンに据えており、国内外でCSR活動を推進している。フィリピンにおける製造拠点である横浜タイヤ・フィリピン(YTPI)の環境・社会への貢献意識も高く、フィリピン国内でトップレベルの環境貢献企業として、全従業員参加型の地域社会への貢献を継続的に行っている。YTPIの名は環境保護や支援プロジェクトの代名詞のような存在とも受け止められるようになってきている。また、YTPIだけでなく、横浜ゴムグループ全体のCSR活動に対する地元コミュニティやビジネス界の注目も高まっている。

「CSRレポート2011」においては、横浜タイヤ・フィリピン(YTPI)のCSR活動については、以下のように紹介されている。

<地域の持続可能な発展に寄与>
ルソン島中部のパンパンガ州に位置する横浜タイヤ・フィリピン(YTPI)は1996年に誕生、「良いモノを、安く、タイムリーに」顧客に届けるとともに、フィリピン国内でトップレベルの環境への配慮を行うこと、そして地域コミュニティの持続可能な発展に寄与することを目標に掲げ、その実現のためのさまざまな取り組みを進めてきた。

まだまだ経済的に貧しい地域が多く、医療や教育の普及も十分ではない現状のフィリピン。地域の人たちからも、特に医療の普及や学校の設備改善などについて支援を求める声が数多く寄せられる。YTPIではそうした声を受け、政府や民間機関などステークホルダーの意見を取り入れながら、コミュニティが抱えるさまざまな課題解決に寄与できる多様な支援プログラムを展開してきた。

<多様な支援プロジェクトを実施>
例えば、力を入れている分野の一つが「教育」。フィリピンの大きな社会問題である貧困の解決には、将来を担う子どもたちの教育が何より重要だとの考えによるものである。

YTPIの近くに位置する公立小学校では、「Adopt - A School」と名付けたプログラムを実施。学校設備の修繕・維持から、学校への古くなったパソコンの寄付と教員への使用法の研修、子どもたちや教員が一緒に参加できる環境教育プログラムの実施まで、総合的な支援を行っている。2010年度は、催し物などに利用できる野外ステージを贈呈したほか、子どもたちに環境の大切さを学んでもらおうと、校庭への植樹のプログラムも実施した。また、地域の名門大学・ホーリーエンジェル大学と連携してのスカラシップ(奨学金)制度も設置。現在、10人の成績優秀な学生がYTPIからの奨学金を受けて学んでいる。

そして、経済的に恵まれない子どもたちへの支援基金を従業員から募る「Give a Share, Show You Care」プログラム。集まった基金はパンパンガ州内の病院や小学校への支援に用いられている。2010年度の募金総額は8万7,315ペソ(約16万5,000円)で、病院のベンチや点滴台、天井に取り付けるファンなどを贈ることができた。また、ボランティアの従業員がクリスマス時期などに地域の小学校や孤児院を訪れ、子どもたちにプレゼントを贈るアウトリーチ・プログラムも実施している。

さらに、地域の人々、特に若い世代に豊かな自然環境の重要性を伝え、受け継いでいくため、環境分野の取り組みにも注力。横浜ゴムグループが国内外の全生産拠点で進める「千年の杜プロジェクト」を3年前から展開している。植樹には従業員のほかその家族や、地元行政機関の幹部、マスコミ関係者なども参加。2010年12月の植樹には1,094人が参加し、これまで植えた苗木の数は累計で16,311本にも達した。

従業員の参加が活動を広げるこうしたプログラムの最大の特徴は、その多くについてYTPIの従業員自らが係わり、募金だけではなく実際の活動にも積極的に参加していること。千年の杜プロジェクトでの植樹作業はもちろん、学校や病院に物資を贈る際にも、多くの従業員がボランティアとして参加し、贈呈した設備の取り付け作業を行ったり、子どもたちと交流したりしている。昨年、小学校にステージを贈呈した際にも、そこに「環境」をテーマにしたカラフルなイラストを描いたのは、ボランティアで参加した従業員たちであった昨年、何らかの支援プログラムに参加した従業員の数はのべ800人、従業員の約半数が参加経験を持っている。

YTPIは今後も、こうしたさまざまな活動を継続・充実させていく予定である。スカラシップなどいくつかのプログラムに関しては、さらに対象を広げ、受益者の数を増やしていくことも検討している。また、展開している活動がどの程度、人々やコミュニティの役に立っているのか、その効果を検証する手段についても見出していく必要があると考えている。

なおYTPIなどグループ各社による独自の「サステナビリティレポート」も現在準備中。YTPIの「サステナビリティレポート」が発行されれば、さらに詳細な活動状況が明らかになると思われる(11年8月30日の横浜ゴム株式会社ニュースリリースより)。