三井物産、ICTSIからシンガポール港湾企業株式取得

2011/08/25

TOBの一部、Portek社の株式約17%を3562万Sドルで

フィリピンの港湾業務最大手インターナショナル・コンテナー・ターミナル・サービス(ICTSI)は、8月24日に、「シンガポール証券取引所上場の港湾業務企業Portek社の株式2544万5000万株を、三井物産へ売却した」と発表した。

Portek社は、インドネシア、アルジェリア、マルタ、ガボンにて7つの中規模コンテナターミナルや多目的港湾ターミナルを、ルワンダではICD(内陸コンテナターミナル)を運営・管理している。

ICTSIはさる6月1日に、子会社ICTSIファー・イーストを通じて、Portek社の公開買い付けを行うと発表した。公開買い付け価格は1株当たり1.20シンガポールドルと設定された。

しかしこの後、三井物産が7月13日に、「Portek社の全普通株式を対象とした公開買付けを実施することを決定した。公開買い付け価格は1株当たり1.40シンガポールドル」と発表した。すなわち、Portek社買収において、ICTSIと三井物産が競合することになった。

公開買い付け価格は、三井物産がICTSIを16.7%を上回っている。三井物産の1.40シンガポールドルでのPortek社公開買い付け発表を受けて、ICTSIは結局、8月1日に、Portek社の公開買い付けから撤退すると発表した。そして、三井物産がPortek社を獲得しつつある。三井物産がPortek社買付けに要する資金は最大で2億2100万シンガポールドル(約144億円)と見込まれる。

Portek社買収を断念したICTSIは、既に取得していたPortek社株式2544万5000万株(約16.9%)を、三井物産の公開買い付けに応じ、売却した。1株当たり売却価格は、当然のことながら、三井物産の公開買い付け価格である1.40シンガポールドル。売却総額は3562万3000シンガポールドル(約22億5000万円)。ICTSIは売却代金を8月24日に受領した(11年8月24日のフィリピン証券取引所回覧6326-2011号などより)。