アークレイ(京都市)、フィリピンに診断薬生産拠点

2011/08/23

バタンガス州に4番目の海外工場、世界各国に供給へ

8月22日に、臨床検査機器・体外診断用医薬品メーカーのアークレイ(本社:京都市中京区)のフィリピンにおける生産工場が完工した。この新工場は、グローバル展開の拡大にともなう生産能力の増強を目的としたものである。ア―クレイは、世界の体外診断用医薬品市場に向けて、一層の安定供給とスピーディな対応を図りつつある。

ア―クレイは従来、日本で体外診断用医薬品の生産・品質管理を行い、世界各国へ輸出を行ってきた。すでに世界80ヶ国以上で販売した実績があり、今後さらにグローバル展開の拡大を目指している。そのような中、製品のさらなる安定供給、海外顧客へのスピーディな対応を可能にすべく、6拠点目(海外では米欧・中国に次ぐ4番目)の工場をフィリピンに竣工したのである。

フィリピンの工場は、2011年9月中旬より稼動し、生産能力を現在の約2倍に増強する。今後、アジア・中近東はもちろん、欧州、米国を含め世界各国へ供給できる体制を整えていく。工場建設地は、将来的に拡張可能なエリアを確保しており、世界の需要に対応すべく段階的な拡張を行っていく。

フィリピン工場の運営企業はアークレイ・インダストリー社。工場所在地はバタンガス州セントトーマスで、敷地面積は約2万平米。尿検査試薬生産でスタートし、随時、生産品目を追加していく方針。なお、セントトーマスは空港や港まで車で約50分と比較的近く、日本企業が多く生産拠点を構えるなど工業団地として発展している。

なお、1963年9月に設立されたアークレイの現在の事業内容は、検体検査機器および体外診断用医薬品の研究開発・製造・販売・輸出、機能性素材の開発・販売など、従業員数は約1,390名(グループ全体)に達している。ア―クレイは「生命の輝き」を意味する(11年8月22日のアークレイ株式会社プレスリリースより)。