比パナソニックにも東日本大震災の影響

2011/08/22

4月~6月期は17%減収に、供給減少響く
営業赤字は47%減、最終赤字は64%減少

パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月)が、2011年度第1四半期(11年4月~6月)報告書を提出した。PMPCの設立は1963年5月14日(旧名フェスティバル・マニュファクチャリング社)。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は、2011年6月末時点で79.96%である。

PMPCの2011年度第1四半期(11年4月~6月)の純売上高は、前年同期比17.4%減の17億0809万ペソにとどまった。競争激化にくわえ、東日本大震災や福島原発事故にともなう商品供給減少が響いた。ちなみに、前年同期は輸入製品(プラズマ・ディスプレイパネル、液晶ディスプレー、SACインバータなど)の売上高が約2.9倍へと急増したことで、22%増収であった。

損益面では、原材料価格上昇で原価率が75.4%へと上昇した(前年同期は71.1%)した。その一方、販売費を同40.1%減の3億0890万ペソへと大幅削減したことで、営業赤字は同47.2%減の2768万ペソへと大幅減少した税金引当額が25.6%減の875万ペソへと減少したこともあって、最終赤字も同63.7%減の1847万ペソへと大幅減少した。


部門別売上高は、ネットワーク(映像・音響・コミュニケ―ション製品など)が前年同期比73.1%減の8533万ペソ(構成比5.0%)と急減した。家電部門は同8.8%減の14億6998万ペソ(構成比86.1%)、デバイスが同4.4%増の2796万ペソ(構成比1.6%)、その他が同10.9%増の1億2482万ペソ(構成比7.3%)であった。

部門別営業損益は、主力の家電部門が654万ペソの赤字転落(前年同期は4724万ペソの黒字)の一方、ネットワーク部門の赤字が同93.1%減の621万ペソへと縮小した。また。デバイス部門は277万ペソの赤字転落(前年同期は64万ペソの黒字)、その他部門の赤字が同20.6%増の1215万ペソへと拡大した(パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの2010年度第1四半期報告書などより)。

パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの2011年度第1四半期の部門別売上高・損益動向(単位:千ペソ)

項目/部門 ネットワーク 家電 デバイス その他 合計
売上高 85,332 1,469,976 27.963 124,824 1,708,095
前年度同期比 73.1%減少 8.8%減少 4.4%増加 10.9%増加 17.4%減少
構成比 5.0% 86.1% 1.6% 7.3% 100.0%
総利益 22,874 363,391 12,171 20,945 419,921
前年度同期比 75.1%減少 21.8%減少 8.4%減少 28.6%減少 29.8%減少
営業損益 -6,214 -6,539 -2,774 -12,150 -27,677
前年度同期比 赤字93.1%減少 赤字転落 赤字転落 赤字20.6%拡大 赤字47.2%縮小
10年度第1四半期実績 -90,250 47,242 642 -10,073 -52,439
(出所:PMPC資料より作成)