続報:サンミゲル、マレーシア石油市場参入を正式表明

2011/08/19

エクソン・モービルの川下3社を6.1億ドルで買収との合意

既報の通り、多角化、新事業を推進中のサンミゲルが、マレーシア石油製品市場に本格参入する。サンミゲルは8月17日に、「取締役会において、米国エクソン・モービルのマレーシア石油関連企業3社を買収することを決議した」と発表した。

サンミゲルとエクソン・モービルとの合意によると、サンミゲルは、石油精製企業のエッソ・マレーシアBhd(エクソン・モービルが65%保有)、エクソン・モービル・マレーシアSdn Bhd(同100%保有)、エクソン・モービル・ボルネオSdn Bhd(同100%保有)の3社を買収する。買収金額は合計で6億1000万ドルとなる。

買収案件には、精製能力日量8万8000バレルのポートディクソン製油所(ヌグリスンビラン州)、7カ所の燃料流通ターミナル、約560店のガソリンスタンド(うち420が直営店)などが含まれる。すなわち、買収が実現すれば、サンミゲルは、マレーシアでの石油精製、製品流通・販売事業に本格参入することになる。

サンミゲルのラモン・アン社長は「エクソン・モービルのマレーシア川下事業は、サンミゲルにとって魅力あるビジネスである」とコメントした。サンミゲル傘下のフィリピン最大の石油企業ペトロンとのシナジー効果も期待できる。

ちなみに、ぺトロンの石油精製能力は18万バレル、フィリピン国内に1700店のガソリンスタンドを有している。2011年上半期売上高は前年同期比17%増の1349億ペソ、営業利益は同62%増の108億ペソ、純利益は同105%増の60億ペソと好調であった。

なお、エッソ・マレーシアBhdも、上記の案件に関してサンミゲルと同様な発表を行った。エッソ・マレーシアBhdはマレーシア上場企業でもある。サンミゲルは、エクソン・モービルが保有する65%以外のエッソ・マレーシアBhd株式の公開買い付け(TOB)を行うことになろう。

また、エクソン・モービルは、マレーシアでの石油川上事業(石油やガス資源探査、掘削など)は継続する(11年8月18日のフィリピン証券取引所回覧6187-2011号、エッソ・マレーシアBhdプレスリリースなどより)。