フィリピン昨年のビール生産量、7.5%増と高成長

2011/08/12

世界順位25位へ上昇(09年27位)、5年ぶり25位圏内に
キリン食生活文化研究所が世界のビール生産量発表


キリンホールディングスのキリン食生活文化研究所は、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2010年の世界主要国および各地域のビール生産量をまとめた。この調査は1974年分から統計開始している。

それによると、2010年の世界ビール総生産量は、前年比約392万キロリットル(kl)増 、率にして2.2%増の約1億8,562万klとなった。東京ドームをジョッキに見立てると、約150杯分 (東京ドーム1杯分は約124万kl) に相当する。世界のビール総生産量は、1985年以降26年連続で増加を続けていることになる。前年増加率は、2008年の0.7増、2009年の0.8増と比較すると、高い増加率となった。


<地域別生産量>
地域別では、昨年同様ヨーロッパと北米を除く全ての地域で、対前年で増加した。アジア(前年比5.4増)は、中国(前年比6.3増)を中心に、ベトナム(前年比15.2増)、フィリピン(前年比7.5増)が貢献したことにより、2年連続でトップ(シェア33.3%)となった。2位はヨーロッパ(29.1%)、3位は中南米(16.5%)、4位は北米(13.5%)、5位はアフリカ(5.8%)であった。

アジアは10年以上連続、中南米は8年連続で生産量が増加する一方、ヨーロッパ(2.4減)、北米(1.2減)は3年連続で減少している。アフリカ(7.2%増)は上位国の南アフリカ(2.8%増)、ナイジェリア(10%増)などが貢献し、1,000万klを超えた。

<国別生産量>
中国が前年比6.3%増となり、シェア24.2%で9年連続でトップとなった。2位は米国(シェア12.3%)。ブラジル(シェア6.8%)は好調な国内経済の影響を受け、前年比18%増と過去10年で最大の増加率となり、ロシア(前年比6.2%減)を抜いて初の3位となった。日本は、夏場の猛暑効果があったものの、生活防衛意識の高まりや上半期の天候不順の影響を受け、前年比2.4%減少した。ただし、順位は前年と同様に7位(シェアは3.2%)であった。

上位25カ国では、ベトナム(前年比15.2増)、ナイジェリア(前年比10%増)、フィリピン(前年比7.5%増)などが高い増加率となった。ベトナム、ナイジェリアは10年連続で増加した。

200年台央に生産がやや伸び悩んでいたフィリピンは、2009年の5%増、2010年7.5%増と再び成長軌道に乗っている。2010年の生産量は157万klでシェアは0.8%であった。そして、国別ランキングが25位に上昇(2009年は27位)、5年ぶりの25位圏内ランクインとなった。

10年前(2000年)との比較では、フィリピンの生産量は28.7%増で、世界全体の33.3%増を下回っている。そして、世界シェアも2000年の0.9%から低下、順位も2000年の22位から後退している(11年8月11日のキリン・ホールディングスニュースリリースより)。