7月インフレ率5.1%(06年基準)への寄与度

2011/08/08

食料等2.23%、住宅光熱費1.21%、交通費0.53%

フィリピン中央銀行は8月5日、これまでの2000年基準と先月から導入された2006年基準の両基準による2011年7月のインフレ率及びインフレ寄与度を発表した。

2000年を基準とした7月の消費者物価指数(CPI)上昇率(対前年同月比)は前月から横這いの4.6%で、十分に中央銀行(BSP)の7月の予想範囲内(4.3~5.2%)である。一方、2006年を基準としたCPI上昇率は5.1%(前月5.2%)。2011年年初7カ月間(1~7月)の平均インフレ率は4.3%で、政府の2011年インフレ目標(3~5%)圏内に納まった。

2006年基準のCPI上昇率によると、7月のインフレ率の減速は、液化石油ガス(LPG)の値下げや電気料金の下方調整により住宅・光熱(電気水道ガス)・燃料のインフレ率が鈍化したのが主な要因。

テタンコ中央銀行(BSP)総裁は、「物価の圧力が穏やかでインフレ期待が上手く抑えられている一方、輸入品の価格が依然不安定な雲行きのため、インフレ見通しのまわりのリスクバランスは引き続き上昇傾向にある」として、世界市場における商品価格の変動の影響などインフレ期待によるリスクを注視していく方針を示した。

中央銀行によると、2011年7月の総合インフレ率(2000年基準)4.57%への寄与度は、飲食料・煙草費2.05%ポイント、そのうち食料のみでは1.92%ポイント(うちコメが0.17%ポイント)だった。その他の寄与度は光熱費0.61%ポイント(そのうち燃料が0.37%ポイント)、サービス費1.07%ポイント、住居費0.39%ポイント、衣料費0.09%ポイントだった。

一方、2006年基準では、寄与度の大きい順に食料・非アルコール飲料2.23%、住宅・光熱・燃料1.21% 、交通費0.53%、外食・サービス他0.35%、教育0.17%(11年8月5日のフィリピン中央銀行発表より)。

2006年基準のインフレ率(前年同月比、前年同期比)と寄与度
項目 物価指数
構成比
7月 2011年1~7月
インフレ率 寄与度 平均インフレ率 寄与度
総合 100.00 5.06 5.06 4.85 4.85
食料・非アルコール飲料 38.98 5.73 2.23 5.85 2.28
酒類・煙草 2.00 6.01 0.12 4.75 0.09
衣料・靴類 2.95 4.20 0.12 3.53 0.10
住宅・光熱・燃料 22.47 5.40 1.21 4.92 1.10
家庭用品・営繕 3.22 2.54 0.08 2.38 0.08
健康・医療 2.99 3.31 0.10 3.26 0.10
交通費 7.81 6.83 0.53 5.73 0.45
通信費 2.26 -0.32 -0.01 -0.22 0.00
娯楽・文化 1.93 1.61 0.03 1.24 0.02
教育 3.36 5.15 0.17 4.48 0.15
外食・サービス他 12.03 2.93 0.35 2.60 0.31
(出所:中央銀行資料より作成)

2000年基準のインフレ率(前年同月比、前年同期比)と寄与度
項目 物価指数
構成比
7月 2011年1~7月
インフレ率 寄与度 平均インフレ率 寄与度
総合 100.00 4.57 4.57 4.29 4.29
飲食料・煙草 50.03 4.09 2.05 4.05 2.03
食料 46.58 4.12 1.92 4.08 1.90
うちコメ 9.36 1.84 0.17 1.56 0.15
衣料費 3.00 2.87 0.09 2.14 0.06
住居費 16.80 2.33 0.39 2.20 0.37
光熱費 6.95 8.82 0.61 9.05 0.63
うち燃料 2.35 15.68 0.37 12.88 0.30
サービス費 15.89 6.73 1.07 5.83 0.93
その他 7.33 1.52 0.11 1.22 0.09
(出所:中央銀行資料より作成)