7月は株価が史上最高値、ペソは39カ月ぶり高値に

2011/08/01

7カ月間で株価7.2%上昇、ペソ対ドルレート4.0%上昇

PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、2011年7月29日終値が1米ドル=42.140ぺソとなり、6月末の終値43.330ペソから月間で1.190ペソ、率にして2.7%の反発となった。

そして、2008年4月25日の1米ドル=42.040ペソ以来、約39カ月ぶりのペソ高となった。米国債務上限問題による世界的なドル安もあって、ペソ対米ドルレートは月間ベースで急反発した。2011年7カ月間(1月~7月)累計では、ペソ対米ドルレートは4.0%のペソ高となった。

一方、PSE株価指数(PSEi)の7月29日終値は4,503.63ポイントで、6月末の終値4,291.21ポイントから212.42ポイント、率にして4.95%の反発となった。そして、7月20日には4日間連続で過去最高を更新、終値ベースで4507.04ポイントという史上最高値を記録した。
2011年累計7カ月間(1月~7月)累計では、PSE株価指数は7.2%の上昇となっている
フィリピン株式市場へのプラス要因として、フィリピン経済の安定的成長、財政収支改善、政治的安定、それらを背景にした国際的格付け機関によるフィリピン格付け引上げなどが挙げられる。一方、マイナス要因であるインフレ率上昇に関しては、フィリピンではインフレ圧力がやや緩和した。したがって、海外投資資金が再流入、株価上昇がもたらされている(フィリピン証券取引所、フィリピン・ディーリング・システム取引記録などより)。

フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値)                  

フィリピン証券取引所株価指数 ペソ対米ドルレート
時期 年末・月末値 上昇率 年末・月末値 上昇率
2000年 1,494.50ポイント -30.3% 49.998ペソ -24.0%
2001年 1,168.08ポイント -21.8% 51.404ペソ -2.7%
2002年 1,018.41ポイント -12.8% 53.096ペソ -3.2%
2003年 1,442.37ポイント 41.6% 55.500ペソ -4.3%
2004年 1,822.83ポイント 26.4% 56.280ペソ -1.4%
2005年 2,096.04ポイント 15.0% 53.090ペソ 6.0%
2006年 2,982.54ポイント 42.3% 49.030ペソ 8.2%
2007年 3,621.60ポイント 21.4% 41.280ペソ 18.7%
2008年 1,872.85ポイント -48.3% 47.520ペソ -13.1%
2009年 3,052.68ポイント 63.0% 46.200ペソ 2.9%
2010年 4,201.14ポイント 37.6% 43.840ペソ 5.4%





2011年1月 3,881.47ポイント -7.6% 44.270ペソ -1.0%
2月 3,766.73ポイント -3.0% 43.565ペソ 1.6%
3月 4,055.14ポイント 7.7% 43.390ペソ 0.4%
4月 4,319.51ポイント 6.5% 42.800ペソ 1.4%
5月 4,244.64ポイント -1.7% 43.250ぺソ -1.0%
6月 4,291.21ポイント 1.1% 43.330ペソ -0.2%
7月 4,503.63ポイント 5.0% 42.140ペソ 2.8%
2011年累計
7.2%
4.0%
(出所:フィリピン証券取引所とPDSの取引記録などより作成)