スズキ、フィリピンで二輪車大幅増産

2011/07/04

10億ペソで新工場、年産20万台体制に
起工式に卜部大使、鈴木会長らが出席


 スズキは、フィリピンの二輪車生産能力を大幅増強する。

 スズキ・フィリピンズは10億ペソ(21億円)投じて、マニラから約45キロメートル南のラグナ州カンルーバンのカーメルレイ工業団地内に、年産能力20万台(二勤定時)の二輪車新工場を建設する。生産能力は、2010年の生産台数約8万5千台の2.4倍となる。稼働時期は2012年6月と予定している。その敷地面積は約12万7000平米、建屋面積は約2万平米。生産車種は110~150ccのアンダーボーン、バックボーン。

 現在、スズキ・フィリピンズはマニラ首都圏パシグ市に年産約8万5千台規模の二輪車工場を有しているが、大幅増産が難しいため、新たに工場を建設、生産設備、従業員ともに移転することを決定した。

 7月2日に、この新工場建設起工式が行われた。卜部敏直駐フィリピン日本国大使、グレゴリー・ドミンゴ比貿易産業相、ラグナ州のエストレガン州知事、スズキの鈴木修会長兼社長、スズキ・フィリピンズの内田聡社長らが出席した。

 フィリピンの二輪車市場は、2010年に前年比19%増の約76万台、今後も順調に拡大すると予想されている。そのなかで、スズキのシェアは11%。新工場建設により需要増に対応するとともに、現地調達率を高め、コスト削減や地域産業への一層の貢献につなげる方針。

 なお、1985年1月設立のスズキ・フィリピンズは、スズキの100%子会社で資本金は16億6000万円。サッカーなどのスポーツ振興支援活動にも注力している。具体的には、フィリピン・フットボール連盟(PFF)と協力して、フィリピンサッカー選手権(PFFスズキカップ)を創設などである(11年7月2日のスズキ株式会社ニュースリリースなどより)。