上半期ペソ1.2%上昇、株価は2.1%上昇

2011/07/01

 好悪材料が交錯、方向感に乏しい動きに
 
 PDS(フィリピン・ディーリング・システム)でのペソ対米ドルレートは、2011年6月30日終値が1米ドル=43.330ぺソとなり、5月末の終値43.250ペソから0.08ペソ、率にして0.2%の続落となった。2011年上半期(1月~6月)累計ではペソ対米ドルレートは1.2%のペソ高となった。

 一方、PSE株価指数(PSEi)の6月30日終値は4,291.21ポイントで、5月末の終値4244.64ポイントから46.57ポイント、率にして1.1%の反発となった。2011年上半期(1月~6月)累計では、PSE株価指数は2.1%の上昇となっている

 今上半期の金融市場へのプラス要因として、フィリピン経済の安定的成長、財政収支改善、政治的安定、それらを背景にした国際的格付け機関によるフィリピン格付け引上げなどが挙げられる。一方、欧州債務問題に関する懸念、フィリピンを含む新興国でのインフレ率上昇や金融引きしめの動き、東日本大震災の悪影響などマイナス要因も少なくなかった。

 今上半期は好悪材料の綱引き的相場展開となり、フィリピンのペソ、株式市場ともに方向感に乏しい動きとなった(フィリピン証券取引所、フィリピン・ディーリング・システム取引記録などより)。
 
 フィリピン証券取引所指数、ペソ対米ドルレートの動き(年末、もしくは月末値)                  
フィリピン証券取引所株価指数 ペソ対米ドルレート
  時期 年末・月末値 上昇率 年末・月末値 上昇率
2000年 1,494.50ポイント -30.3% 49.998ペソ -24.0%
2001年 1,168.08ポイント -21.8% 51.404ペソ -2.7%
2002年 1,018.41ポイント -12.8% 53.096ペソ -3.2%
2003年 1,442.37ポイント 41.6% 55.500ペソ -4.3%
2004年 1,822.83ポイント 26.4% 56.280ペソ -1.4%
2005年 2,096.04ポイント 15.0% 53.090ペソ 6.0%
2006年 2,982.54ポイント 42.3% 49.030ペソ 8.2%
2007年 3,621.60ポイント 21.4% 41.280ペソ 18.7%
2008年 1,872.85ポイント -48.3% 47.520ペソ -13.1%
2009年 3,052.68ポイント 63.0% 46.200ペソ 2.9%
2010年 4,201.14ポイント 37.6% 43.840ペソ 5.4%
2011年1月 3,881.47ポイント -7.6% 44.270ペソ -1.0%
2月 3,766.73ポイント -3.0% 43.565ペソ 1.6%
3月 4,055.14ポイント 7.7% 43.390ペソ 0.4%
4月 4,319.51ポイント 6.5% 42.800ペソ 1.4%
5月 4,244.64ポイント -1.7% 43.250ぺソ -1.0%
6月 4,291.21ポイント 1.1% 43.330ペソ -0.2%
2011年累計 2.1% 1.2%
 (出所:フィリピン証券取引所とPDSの取引記録などより作成)