相次いでフィリピンの格付け引上げ

2011/06/24

フィッチBB+に、投資適格にあと1歩
S&P、ムーディーズに続く引上げ

 欧州系有力格付け機関フィッチ・レーティングス(フィッチ)は6月23日に、フィリピンの格付けを引き上げたと発表した。


 フィッチは、フィリピンの長期外貨建て発行体デフォルト格付(IDR)を、「ダブルB(BB)」から「ダブルBプラス(BB+)」に、長期ペソ建てIDRとカントリー・シーリングを、「ダブルBプラス(BB)」から「トリプルBマイナス(BBB-)」に引き上げた。見通しは「安定的」とした。ただし、短期外貨建てIDRは「シングルB(B)」に据え置いた。

 フィッチは、フィリピンの格付けを引き上げた理由として、「マクロ経済安定と財政収支改善」、「概して明るい経済見通し」、「対外収支の改善」を挙げた。フィッチは、2011年のフィリピンの財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は3%で、2010年実績の3.7%から改善すると予想している。

 ラシエルダ大統領報道官は、フィッチのフィリピン格付け引き上げを受け、「昨年11月のスタンダード&プアーズやこの6月のムーディーズのフィリピン格付け引き上げに続く今回の引上げは、フィリピン政府の財政赤字削減への取り組みなどが評価された結果」と歓迎の意を表明した。

 なお、フィッチによる長期外貨建てIDR格付け「ダブルBプラス(BB+)」は、投資適格最低基準である「トリプルBマイナス(BBB-)」の1段階下の格付けである。すなわち、依然、投資非適格の範疇ではあるが、投資適格まであと一歩に迫ったことになる。

 なお、この6月15日には、米国系有力格付け機関であるムーディーズ・インベスターズ・サービス(ムーディーズ)がフィリピンの外貨建てとペソ建て債務の格付けを、これまでの「Ba3」から「Ba2」へと引き上げた。「Ba2]という格付けは、投資適格最低基準「Baa3」の2段階下の水準である。

 ムーディーズとならぶ米国系有力格付け機関であるスタンダード&プアーズ(S&P)は昨年11月12日に、フィリピン外貨建て長期債務の格付けを、それまでのダブルBマイナス(BB-)から、ダブルB(BB)へと引き上げた。このダブルB(BB)という格付けは、投資適格最低基準トリプルBマイナス(BBB-)より2段階下の格付けである。

 3つの国際的な有力格付け機関であるが昨年後半から今年にかけて、フィリピンの格付けを引き上げた。上記のように、フィッチの格付けは投資適格最低基準の一段階下、ムーディーズとS&Pは同じく2段階下となった(11年6月23日のフィッチ・レーティングス、フィリピン官報発表より)。