航空機内装品のジャムコ、フィリピンに生産拠点

2011/06/02

9月から複合材パネルや部品の製造加工事業

航空機内装品のジャムコ(本社:東京都三鷹市)は、6月1日に、「フィリピン子会社設立決定」と発表した。

ジャムコは、日本国内を主要な拠点として、ギャレー(厨房設備)、ラバトリー(化粧室)等の航空機内装品関連製品の製造、組立を行っているが、航空機需要の拡大に伴う増産への対応と、これら内装品は外貨建て売上高の比率が高いことから、為替リスクへの対応も課題となっている。


中長期的な視点に立ってこれらの課題を解決するには、国内での生産の効率化を推し進める一方、相対的に労働コストの低い海外での生産も重要な事業戦略と捉えており、新たな生産委託拠点としてフィリピンに子会社を設立することを決定した。

6月中旬に設立予定のフィリピン子会社の社名はジャムコ・フィリピンズ、所在地はクラーク自由港経済区となる。主な事業内容は、航空機内装品の複合材パネル加工、部品製造加工などである。操業開始は今年9月1日と予定している。

当初資本金は4300万ペソ(約8500万円)、出資比率はジャムコ40%、ジャムコ・アメリカが60%となる。ジャムコ・アメリカは、ジャムコが75%出資する米国シアトルの連結子会社で、航空機内装品等の改造設計及び型式承認等の取得、部品の製造・販売、部品調達等を実施している。

ジャムコ・フィリピンズ(会計期末3月末)の売上高に関しては、2011年度7000万円、2012年度2億3000万円、2013年度2億4000万円、2014年度4億4000万円と見込んでいる。

なお、ジャムコ・アメリカは、2010年度ボーイング・パフォーマンス・エクセレンス・アワード銀賞を受賞し、5月18日(現地時間)に記念のトロフィーを贈呈された。この賞はボーイングにより毎年、卓越した功績をあげたサプライヤーに贈られるものである。今回、ジャムコ・アメリカは2009年10月1日より2010年9月30日の1年間の各月の総合評価として銀賞を受賞した。

ジャムコ・アメリカは、ボーイング787型機の操縦室ドアと周辺隔壁、バーユニットを供給している。また、ジャムコは同787型機のギャレー、ラバトリー、操縦室周辺内装品や、777型機などのギャレー、ラバトリーを供給している(11年6月1日のジャムコ発表より)。