比パナソニック、純利益8.8倍の4545万ペソ

2011/05/25

税金引当急減が寄与、税前利益は42%減少
家電13%増益、AVC赤字急拡大:2010年度

 パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月)は、6月11日に年次株主総会を開催する。

 その株主総会通知に記載されている、2010年度(2010年4月~2011年3月)決算の内容は以下の通り。なお、PMPCの設立は1963年、日本のパソニック本社のPMPC保有比率は79.96%である。
 
 2010年度の純売上高は前年度比10%増の71億0700万ペソに達した。製造コスト削減効果が顕在化したが、競争激化等にともな販売費が同14.5%増の14億9860万ペソ(うち広告費が同2.3倍の9306万ペソ)へ増加したことなどにより、税引き前利益は同41.9%減の6299万ペソにとどまった。
 しかし、税金引当が83%減の1755万ペソと急減したことで、純利益は同780.5%増(約8.8倍)の4545万ペソへと大幅増加した。税金引当急減は、主に、2009年度のMCIT(最低法人所得税)やNOLCO(繰越欠損金)措置終了などに伴う繰り延べ税金資産減少によるもの。ちなみに、2009年度の税金引当は2008年度比2.9倍の1億0325万ペソと高水準であった。

 2010年度の輸出比率は14.9%で、前年度の12.6%から上昇した。2010年度の主な輸出先は香港、ナイジェリア、カンボジアなどであった。

 2010年度の部門別売上高は、家電が前年度比9.7%増の54億3913万ペソ(構成比76.5%)、AVCネットワーク(映像・音響・コミュニケ―ションなど)が同17.2%増の10億5943万ペソ(同14.9%)、その他が同1.8%増の6億0862万ペソ(同8.6%)であった。

 下表のとおり部門別税引き前損益は主力の家電部門の黒字が12.7%増加する一方、AVCネットワーク部門の赤字が493%増加した。その他部門が黒字転換したが、全体では41.9%の減少となった。

 PMPCは、一段の生産効率化や環境配慮型製品(エコ製品)積極投入などにより業績向上を目指している(パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズの株主総会通知などより)。

 PMPCの部門別税引き前利益内訳(単位:ペソ)

部門 2008年度 2009年度 2010年度 10年度増減
家電 4億4,093万 5億3,808万 6億0,639万 黒字12.7%増加
AVCネットワーク -1億0,437万 -2,172万 -1億2,883万 赤字493%増加
その他 9,846万 -4,240万 4,428万 黒字転換
連結調整 -3億1,755万 -3億6,555万 -4億5,885万 消去25.5%増加
合計 1億1,747万 1億0,841万 6,299万 黒字41.9%減少

 (出所:PMPC資料より)