過去25年間で最大の月間黒字を計上
　4カ月間収支も6千万ペソの黒字に転換
　プライマリ-収支は1022億ペソの黒字に

　財務省の発表によると、2011年4月の財政収支は263億ペソの黒字で、過去25年間で最高の月間黒字となった。前年同月の26億ペソの黒字から10倍強へ急拡大した。所得税申告・納税期限月である4月は黒字になるケースが多いが、そのなかでも今年の黒字は高水準であった。ちなみに、前月（2011年3月）は181億ペソの赤字であった。　

　4月の歳入は前年同月比11.1%増の1,383億ペソ。そのうち内国歳入庁（BIR）の税収は13.4%増の1,034億ペソ、財務局（BTｒ）は21.3%増の62億ペソ、民営化収入等その他歳入は16.2%増の63億ペソと増加したが、関税局（BOC）は1.5%減の224億ペソにとどまった。4月の歳出額は前年同月比8.0%減の1,121億ペソで、そのうち利払い額が27.0%減の114億ペソだった。

　2011年年初4カ月間（1-4月）の累計財政収支は6,100万ペソの黒字で、前年同期の1,318億ペソの赤字から急改善した。政府の設定した第1四半期の赤字上限目標1,120億ペソを余裕でクリアーするだけでなく、小幅ながら黒字転換にまで至った。
　
　4カ月間の累計歳入額は前年同期比18.2%増の4,614億ペソ。そのうちBIRの税収は14.3%増の3,029億ペソ、BOCの税収は2.0%増の851億ペソ、BTｒは134.6%増の445億ペソ、その他歳入は26.2%増の289億ペソと全て前年同期を上回った。一方、累計歳出額は前年同期比11.6%減の4,614億ペソで、うち利払い額は18.0%減の1,022億ペソであった。

　歳出から利払い費を除外して算出されるプライマリーバランス（基礎収支）に関しては、4月は前年同月比106.5%増の377億ペソの黒字、2011年年初4カ月累計では1,022億ペソの黒字（前年同期は70億ペソの赤字）となった（11年5月23日のフィリピン財務省発表より）。

　　　　11年4月及び年初4カ月の財政収支動向　（単位：億ペソ）

	4月			1～4月
	10年	11年	伸び率(%)	10年	11年	伸び率(%)
歳入	1,245	1,383	11.1	3,903	4,614	18.2
内国歳入庁（BIR）	912	1,034	13.4	2,651	3,029	14.3
関税局（BOC）	228	224	-1.5	834	851	2.0
財務局（BTｒ）	51	62	21.3	190	445	134.6
その他	54	63	16.2	229	289	26.2
歳出	1,219	1,121	-8.0	5,219	4,614	-11.6
利払い	157	114	-27.0	1,246	1,022	-18.0
財政収支	26	263	910.3	-1,318	0.6	黒字転換
プライマリーバランス	183	377	106.5	-70	1,022	黒字転換

　（出所：財務局資料より作成）

フィリピン財政収支・公的収支推移（単位：億ペソ）

	年間実績推移											政府目標
	00年	01年	02年	03年	04年	05年	06年	07年	08年	09年	10年	10年	11年
財政収支	-1,342	-1,470	-2,107	-1.999	-1,871	-1,468	-648	-124	-681	-2,985	-3,145	-3,250	-2,900
対GDP比(%)	-4.0	-4.0	-5.4	-4.7	-3.8	-2.7	-1.0	-0.2	-0.9	-3.9	-3.7	-3.8	-3.2

　（出所：財務局資料より作成）