IMD国際競争力:フィリピン58カ国中41位

2011/05/18

前年39位から再下降、アジア最下位のまま
日本26位(政府効率性で50位)と低評価

 スイス・ローザンヌのIMD(経営開発国際研究所)が5月17日に、「世界競争力年報2011年版」を発表した。今回のIMDの世界競争力は、59の国・地域に関して、「経済パフォーマンス」、「政府の効率性」、「ビジネスの効率性」、「インフラ整備度」という4分野、20中項目、331項目での調査を行い、ランキングしたものである。なお、IMDは50年以上の歴史を有する世界有数のビジネススクールである。昨年の調査対象国・地域は58であった。

 このIMDによる2011年国際競争力1位は香港(昨年2位)と米国(同3位)、3位はシンガポール(同1位)、4位はスエーデン(同6位)、5位はスイス(同4位)であった。さらに6位台湾 (同8位)、7位カナダ (同7位)、9位カタール (同15位)、9位豪州(同5位)、10位ドイツ(16位)と続く。すなわち、ベストテンに、アジアからシンガポール、香港という常連に、順位を急上昇させてきている台湾との合計3カ国・地域がランクされた。

 ちなみに最下位の59位にはベネズエラ(昨年も最下位の58位)、58位はクロアチア(同56位)、57位はウクライナ(同57位)であった。
 
 日本は26位で、昨年の27位から1ランク回復した。しかし、かつて首位にランクされていた面影が全く失せるとともに、調査対象約60カ国の中位に定着してしまう懸念がある。日本は特に、政府の効率性で50位と非常に厳しい評価をされている。アジア勢では、上記の3カ国のほか、16位のマレーシア(昨年10位)、19位の中国(同18位)、22位の韓国(同23位)が日本を上回った。タイも27位(26位)で、日本と接戦となっている。

 最近の経済発展が目覚しいインドは32位で、昨年の31位から1ランク後退した。このほか、アジア勢は、インドネシア37位(昨年35位)、フィリピン41位(同39位)となっている。調査対象国・地域が少ないこともあって、アジアで日本より下にあるのは、タイ、インド、インドネシア、フィリピンの4カ国のみ

 このように、フィリピンは41位で、昨年の39位から2ランク後退した。依然低い評価であり、アジア勢の最下位から脱出できない状況が続いている(11年5月17日のIMD世界競争力センター発表より)