ヤクルト、フィリピンでの販売伸び悩み
2011/05/17
昨年6.1%減、今第1四半期14.4%減少
1日に117万本、アジア5位(構成比9.2%)
ヤクルト本社がこのほど、2010年度(10年4月~11年3月)の連結決算を発表した。同期間の連結売上高は3059億円(前年度比5.3%増)、経常利益は258億円(同4.3%増)と、堅調な決算となった。
この連結決算発表資料によると、2010年度のアジア・オセアニア地域の飲食料部門連結売上高は前年度比13.4%増の255億円へと二桁増加した。ただし、営業利益は同4.3%減の41億円と、前年度の71%増益の反動が出た。ヤクルトは、アジア・オセアニア地域においては、フィリピン、香港、シンガポール、インドネシア、オーストラリア、マレーシア、ベトナム、インド、中国などで乳製品乳酸菌飲料などを製造、販売している。
フィリピンにおいては、ヤクルト本社が40%出資するヤクルト・フィリピンズ(持分法適用会社)が、1978年10月から営業を行っている。すなわち、ヤクルトはフィリピンでは33周年を迎えつつある。海外販売時期は、1964年の台湾、1968年のブラジル、1969年の香港、1971年の韓国とタイに続く歴史を有している。
ヤクルト・フィリピンズの2010年(1月~12月)の一日当り販売数量は、前年比6.1%減の122万本。アジア・オセアニア地域では、韓国の404万9千本、タイの259万1千本、インドネシアの同176万7千本、中国の162万6千本に次いで第5位となっている。また、アジア・オセアニア地域全体の同1313万5千本(前年度比6.1%増)の9.3%を占めた。
2011年第1四半期(1月~3月)速報値では、フィリピンでの一日当り販売数量は前年同期比14.4%減の117万4千本と低調であった。アジア・オセアニア地域では、2010年と同様、韓国、タイ、インドネシア、中国に次ぐ第5位となっており、そのシェアは9.2%へと低下している。 一方、インドネシアは同41.9%増、中国は同35.6%増、タイは同14.2%増と二桁増となっている。新市場のベトナムは同67.3%増、インドも59.%増と大幅増加となっている(11年5月13日の株式会社ヤクルト本社発表などより)。