フィリピンのコンビニ業界、高成長続く

2011/04/17

首位セブン・イレブン、2010年78%増益
年末店舗数23%増の551店、直近577店

 フィリピンのコンビニエンス・ストア業界が離陸期入りし、高成長を続けている。そして、業界トップのセブンイレブンを第2位のミニストップが追うという構図になっている。2010年末のフィリピンのコンビニエンス・ストア数は1187店。シェアはセブンイレブン47%、ミニストップ28%、マーキュリー24%、サンミゲル・フードショップ1%となっている。

 フィリピンのセブン・イレブンは台湾資本のプレジデント・チェーンがマジョリティーを握るフィリピン・セブン社によって運営されている。
 このフィリピン・セブンの2010年度(1月~12月)アニュアルレポートが発表された。それによると、2010年のグループ総収入は前年同期比%増の85億4410万ペソ、物品などの売上高は同%増の76億1224万ペソ、純利益は同78%増の2億7688万ペソとなった。景気底打ち、新店効果、高温少雨という気候で飲料などの販売増加、さらには、レストランやファーストフーズ・チェーンからコンビニエンス・ストアへの需要シフトという追い風もあり、大幅増収となった。2010年の1店舗当たり1日の来客数は平均1045人、客単価は同48.59ペソであった。

 増収効果に加え、商品構成見直し効果、効率化などにより大幅増益決算となった。同社は販売時点情報収集力強化による陳列商品の選別、公共料金支払いやクレジットカード取り扱いなど顧客の利便性を高めるなど、IT活用による一層の販売力強化を図りつつある。
 
 2010年12月末のフィリピンでのセブン・イレブン総店舗数は551店に達し、前年同期末の447店から104店、率にして23%増加した。368店舗のうち、直営店が130店舗、フランチャイズ店が211店舗。2010年中に500店体制を目指していたが、それを大幅に上回るぺースで推移している。
 
 フィリピンでのセブン・イレブン第1号店は、1984年2月にケソン市エドサ通り沿いにオープンした。当初の出店ピッチは鈍かったが、2000年の小売業界規制緩和を契機に出店ピッチが速まった。そして、2006年末287店、2007年末311店、2008年末368店、2009年末447店、2010年末551店舗と順調に拡大している。現時点では577店舗となっており、2011年第1四半期にも26店増加したことになる。
 
 一方、フィリピンのミニストップは、ロビンソンズ・コンビニエンス・ストアーズ社(RCSI)よって展開されている。RCSIは、三菱商事、ミニストップ株式会社、ゴコンウェイ・ファミリー傘下のロビンソン・リテイル・グループとの共同事業である。1997年にRCSIとミニストップ株式会社との間でカントリー・フランチャイズ契約が締結された。なお、この4月にミニストップがRCSIの第3者割当増資に応じ、出資比率を5%から25%へと引き上げ、フィリピンの店舗拡大戦略に寄与することを決議した(フィリピン・セブンの2010年アニュアルレポート、ミニストップ株式会社資料などより)。

 フィリピンのコンビ二エンス・ストア店舗数とシェア

2010年末店舗数 シェア
セブン・イレブン 551 47%
ミニストップ 336 28%
マーキュリー・セルフサービス 287 24%
サンミゲル・フードショップ 13 1%
合計 1187 100%
(フィリピン・セブン資料より、ミニストップ店舗数は日本側発表と多少異なる)