外人の金融市場投資、3月は売却増加

2011/04/14

証券等への純投資額54%減の2.4憶ドル
第1四半期累計では2.5倍の9.7憶ドルに

 フィリピン中央銀行(BSP)は4月14日、2011年3月及び年初3カ月(1-3月)の海外からのホットマネー(証券投資等の間接投資資金)勘定を発表した。海外からのホットマネーとしてカウントされるのは、非居住者によるポートフォリオ投資動向であり、証券取引所(PSE)を通じてのフィリピン株式、ペソ建て債券、銀行でのペソ建て預金、マネーマーケット投資などが含まれる。

 2011年3月の海外からのホットマネー勘定の純流入額は前月比54.1%減、前年同月比222.7%増の2億4,539万ドル。前月から大幅に減少したのは3月11日の東日本大震災の影響による。3月の海外からの取得総額(グロス)は前月比5.6%増、前年同月比167.6%増の15億5,124万ドル。そのうち50.2%がPSE上場株式取得、残りは、ペソ建て国債取得やペソ建て定期預金だった。対比投資国上位5カ国は、シンガポール、英国、米国、ルクセンブルグ、香港で全体の89.3%を占めた。一方、処分総額は前月比39.6%増、前年同月比159.3%増の13億0585万ドル。

 2011年第1四半期(1-3月)の海外からのポートフォリオ勘定純流入額は前年同期比152.8%増の9億7,256万ドル。海外からの証券などの取得総額(グロス)は、前年同期比175.2%増の45億5,808万ドル。そのうちPSE上場株式取得が約21億ドルで、主に親会社(5億3,500万ドル)、銀行(4億3,600万ドル)、公益事業会社(3億3,000万ドル)、通信会社(2億8,400万ドル)、不動産会社(2億7,200万ドル)等の株式。対比投資国上位5カ国は、シンガポール、米国、英国、ルクセンブルグ、香港で全体の89.6%を占めた。一方、処分総額は182..0%増の35億8,552万ドルだった。

 なお、4月12日に発表された2011年1月の外人直接投資(FDI)純流入額は前年同月比21.8%増の2億0700万ドルだった(11年4月14日のフィリピン中央銀行発表より)。

    海外からのポートフォリオ投資(証券等の金融市場投資)勘定 <単位:百万米ドル>

10年3月 11年2月 11年3月 前月比 前年同月比 10年1-3月 11年1-3月 前年同期比
取得総額 579.72 1,469.53 1,551.24 5.6% 167.6% 1,656.16 4,558.08 175.2%
処分総額 503.68 935.45 1,305.85 39.6% 159.3% 1,271.40 3,585.52 182.0%
純流入額 76.04 534.08 245.39 -54.1% 222.7% 384.75 972.56 152.8%
                     (出所:フィリピン中央銀行資料より)