山善、フィリピン現地法人設立へ

2011/03/23

10月、ラグナ・テクノパークに
アセアン取扱高300億円目標

(11年3月23日の株式会社山善プレスリリースより)

機械など生産財専門商社である山善 (本社:大阪市西区)は、「2011年10月1日付で、フィリピンに現地法人を設立する」と発表した。


フィリピンは、中国やインドといった巨大市場とは異なり、爆発的な経済発展は期待できないものの、経済成長率自体はここ数年、着実に向上しており、昨年末からは工業生産額も上昇基調で推移している。日系の製造業だけでも約300社が存在するなど、潜在需要としても、今後の生産財マーケットとして有望な国となってきている。

一方、山善でのフィリピンにおける営業活動は、これまで山善タイランド(タイ現地法人)の管轄の下に、駐在員事務所を配置(製品は日本から直接輸出)して対応してきたが、設備引合いやパーツ類の受注増加にともない、フィリピン現地の顧客からフィリピンでの直接的なオペレーションの要望が高まるようになった。
山善としても、さらにキメ細かいサービス拡充とフィリピン地区での販売強化による商圏拡大を図る必要があると考え、今回、従来からある駐在員事務所を格上げし、新たに現地法人の設立を決定したものである。

具体的には、現在山善タイランドの直轄事務所で、首都圏モンテンルパ市(アラバン)にある現・駐在員事務所を閉鎖し、2011年10月1日にビニャン市ラグナ・テクノパーク(PEZA経済特区内に新たに現地法人を設立する。新現地法人名は山善マシナリー&トールズ・フィリピン(仮称)、当初資本金は2600万ペソ(約5000万円)、設立時人員は7名と
予定している。現地でのスペアパーツや工具在庫を拡充し、顧客へのサービスサポート体制を確立し、3年後の取扱高15億円を目指す。

なお、山善は今回設立する当フィリピン現地法人を含め、東南アジア地区での法人数が7社(拠点14ヵ所)となり、それぞれの規模も拡大していることから、域内での機動性を高め、営業支援・情報交流を活性化させる必要があると判断し、地域の統括機能を新たに設置することを決定した。2011年4月1日付で東南アジア地区での営業力強化の目的で、域内の支社・現地法人を統括する「アセアン(ASEAN)統括長」を新たに設置する。
そして、ASEAN地域内での人的バックアップや情報交流を促進し、中期的には同地域全体での取扱高を300億円程度まで引き上げ、生産財商社としてのポジショニングを高めていく計画である。