4月のOFW送金、5.2%減の23億ドルと低調

4カ月間では4.7%増の100億ドルに

2017/06/16

    フィリピン中央銀行(BSP)対外収支データによると、2017年4月のOFWからの銀行経由による本国現金送金額は20億8,300万米ドルで、前年同月(22億1,300万米ドル)から5.9%減少した。

 また、17年年初4カ月間(1月−4月)の累計は前年同期比4.2%増の90億3,600万米ドルであった。そのうち、陸上ベースのOFWからの送金額は5.8%増の71億5,600万米ドル、海上ベースのOFWからは1.4%減の18億8,000万米ドルであった。 なお、この統計におけるOFW送金額は中央銀行が把握している公式銀行ルートによるものである。

 送金元の国別動向については、1位が米国で前年同期比8.1%増の29億9,400万米ドル(シェア33.1%)、2位サウジアラビアの3.9%減の8億5,600万米ドル(9.5%)、3位アラブ首長国連邦(UAE)の17.3%増の7億4,800万米ドル(8.3%)、4位シンガポールの3.9%増の5億5,600万米ドル(6.2%)、5位日本の17.3%増の4億8,300万米ドル(5.3%)、6位英国の1.8%減の4億5,900万米ドル(5.1%)、7位カタールの25.3%増の3億8,500万米ドル(4.3%)、8位クウェートの13.4%減の2億6,000万米ドル(2.9%)、9位香港の17.8%減の2億5,000万米ドル(2.8%)、10位ドイツの3.6%減の2億3,600万米ドル(2.6%)など。



OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%

項目 年間推移 1 - 4月
11年 12年 13年 14年 15年 16年 16年 17年
送金額 20,117 21,391 22,984 24,628 25,607 26,900 8,670 9,036
対前年伸率 7.2 6.3 7.4 7.2 4.0 5.0 4.1 4.2
日本から 914 1,010 904 1,419 1,223 1,363 411 483


月別OFWからの銀行経由送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
16年 17年
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月
送金額 2,213 2,188 2,334 2,131 2,319 2,383 2,099 2,217 2,559 2,169 2,169 2,615 2,083
対前年同月伸率 6.9 5.8 4.8 -5.4 16.3 6.7 -3.0 18.5 3.6 8.6 3.4 10.7 -5.9
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)
*注:17年は速報値


 また、国際通貨基金(IMF)の「国際収支国際投資ポジションマニュアル」(BPM第6版)に準拠した包括的OFW送金データ(銀行経由現金送金+帰国時持参分+非現金型資産贈与含む)によると、4月の包括的OFW送金額は前年同月比5.2%減の23億1,700万米ドル、年初4カ月間累計では前年同期比4.7%増の100億2,600万米ドルと増加した。当然のことながら、従来からの公表データである銀行経由分のみの送金額を上回っている。と増加した。

 BSP総裁は、熟練OFWに対する根強い需要に加え、継続的な銀行・ノンバンク系送金機関のネットワーク拡大や送金市場における金融商品の革新等が送金流入の増加に寄与していると説明した(17年6月15日のフィリピン中央銀行発表より)。



包括的OFW送金額(単位:百万米ドル、伸び率:%)

項目 年間推移 1 - 4月
11年 12年 13年 14年 15年 16年 16年 17年
送金額 21,922 23,352 25,369 27,273 28,308 29,706 9,577 10,026
対前年伸率 6.6 6.5 8.6 7.5 3.8 4.9 4.0 4.7


月別包括的OFW送金額推移(単位:百万米ドル、伸び率:%)
16年 17年
4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 4月
送金額 2,443 2,416 2,575 2,355 2,559 2,626 2,326 2,448 2,823 2,396 2,397 2,915 2,317
対前年同月伸率 6.6 5.7 4.8 -5.4 16.0 6.3 -2.8 18.4 3.6 8.5 3.3 11.8 -5.2
(出所:フィリピン中央銀行資料より作成)
*注:17年は速報値