リゾーツワールド・マニラ、カジノ再開

襲撃事件から約1カ月で停止命令解除

2017/06/30

   ニノイ・アキノ国際空港第3ターミナル(NAIA3)に近接するカジノ・リゾート「リゾーツワールド・マニラ(RWM、マニラ首都圏パサイ市)のカジノ事業が再開される。

 RWMにおいては、6月2日未明に発砲・放火事件が発生した。自殺した犯人を含むめると38人が死亡、54名以上が負傷した。フィリピンのカジノ産業を管轄する賭博公社(PAGCOR)は、6月9日、カジノ事業のライセンスを一時停止とすることを決定した。一時停止措置は、RWMの警備体制や安全確保体制が確立されるまで継続するとされていた。

 PAGCORは、6月29日、RWMの安全対策や警備体制が改善され、PAGCOR基準に合致するものとなったとして、RWMのカジノ事業停止命令を解除した。これにより、RWMのカジノ事業が再開されることとなった。RWMのカジノ部門停止による政府の損失(1日当たり1,400万ペソ)や6千人の従業員の生計なども考慮された結果である。

 しかし、PAGCORは、カジノ事業停止命令は、RWMの事件発生の責任が免除されることを意味するものではなく今後の調査結果によって明らかにされる責任を問われることになるとしている。また、更なる安全対策強化を要求している。

 「RWM」は、有力持株会社アライアンス・グローバル・グループ(AGI)のカジノリゾート事業部門であるトラベラーズ・インターナショナル・ホテル(トラベラーズ)と香港ゲンティンとの 合弁事業である。現時点ではトラベラーズが95%出資している。カジノ事業は国内外企業との競争も激しくなりつつあるが、フィリピン経済の高成長、フィリピン投資や訪問活発化などフォローの風も吹いている。このような状況下でトラベラーズはRWMを大幅拡張しつつある。

 さらに、、国家的大型カジノリゾートプロジェクトでもあるマ二ラ湾岸沿いの「マニラベイ・エンターテインメントシティー」においても、カジノ・リゾート「リゾーツワールド・ベイショア(RWB)」を開発中である。このRWBの完工・開業は2020年以降となる見込み。当初予定では、2016年開業とされおり、4年以上の遅延となる(17年6月29日のフィリピン賭博公社{PAGCOR)発表などより)。