エプソン、フィリピンで環境保全型新工場竣工

投資額1億4千万ドル、従業員2万人体制へ

2017/07/10

セイコーエプソン( エプソン)は、フィリピンの製造子会社エプソン プレシジョン(フィリピン)社(EPPI)に新工場を増設、このほど竣工した。新工場の増設によって、EPPIは、インクジェットプリンターおよびプロジェクターの生産能力の強化を図る。

 新工場は、2017年度までに総額約1億4,300万米ドルを投資し、2015年1月に着工、最新鋭かつ最高効率のオペレーションを実現する工場とするべく建設を進め、このほど完成したものである。新工場の最大の特長は、約3,000kWの最大出力を持つメガソーラー発電設備を建物の屋根部分に設置、環境に配慮した工場となっている点である。 新工場は鉄骨2階建て、建築面積は約5万3千平米、延床面積は約10万8千平米となっている。

 エプソンは、主に中国、インドネシア、フィリピンにインクジェットプリンターおよびプロジェクターの生産拠点を有しているが、中長期的な事業戦略のもと、今後の生産拡大に向けた増産体制を整備する必要が生じている。

 インクジェットプリンターについては、現在当社が注力している大容量インクタンク搭載プリンターが新興国市場を中心に急成長しているほか、高速ラインインクジェット複合機/プリンターなどのオフィス向けインクジェットプリンターも着実な伸びを示しており、今後も生産数量の大幅な増加を見込んでいる。

 またプロジェクターについては、企業向けや教育向け、商業利用など用途の拡大、新興国市場への浸透などにより、当社ビジュアルコミュニケーション事業は確実に成長を続けている。今後も、世界シェア16年連続No.1メーカーとしてラインアップのさらなる拡大などによって、生産数量の増加を見込んでいる。

 EPPIは、このような生産数量の増加に対応し、従業員数も現在の約1万4,400人から、最終的には2万人の体制を想定している。これにより、エプソングループ全体の中長期的な観点での生産体制が整備されることとなる。

 エプソンは、今後も、独創のインクジェット技術や3LCD技術をはじめ、コアデバイスから完成品の生産、そして販売・サービスまでを一貫して手掛ける垂直統合型ビジネスモデルにより、世界のあらゆる地域の顧客にに高品質の製品・サービスを提供していく方針である。

<エプソン プレシジョン(フィリピン)社概要>
・英文社名:Epson Precision (Philippines) Inc.(略称:EPPI)
・住所:Lima Technology Center, Lipa City, Batangas, 4217, Philippines
・社長:羽片 忠明氏(セイコーエプソン常務執行役員)
・設立:1994年12月27日
・従業員数:約14,400人(2017年5月末時点)
・土地面積:約23万平米、建物面積:約19万3千平米(新工場含む)
・生産品目:インクジェットプリンター、プロジェクター、スマートグラス
・出資比率:セイコーエプソン株式会社100%出資

(17年7月6日のセイコーエプソン株式会社ニュースリリースなどより)。