JT、フィリピン大手たばこ企業買収意向

2017/07/14

フィリピン財務省(DOF)は、7月12日、フィリピンのたばこ大手メーカーである「マイティー・コーポレーション社(マイティー)」の税金滞納問題に関して発表した。その発表資料において、日本たばこ産業(JT)が、「マイティー」の買収交渉を行っていることが判明した。

 DOFによると、マイティーは滞納している税金の納付に関して、JTの海外事業統括企業である「JTインターナショナル(JTI)への事業売却やJTIからのつなぎ融資により納税する意向を表明ししたとのことである。「マイティー」は7月20日までに税金を納付する考えで、それまでにJTIとの間で覚書を締結する意向とのことでもある。13日には、このDOFの発表をベースにしたJTの「マイティー」買収意向や買収金額は450億ペソ(約1千億円)程度になるとの各種報道が行われた。

JTはこれらの報道に関して、7月13日に「JTによるフィリピンのたばこ会社であるマイティ・コーポレーション社の資産の買収に関する報道がなさたが、JTが発表したものではない。なお、本件について、協議していることは事実であり、今後開示すべき事項を決定したら速やかに開示する」と発表、「マイティー」買収交渉を行っていることを認めた。。
  
 JTは世界120カ国・地域以上で事業を展開しており、フィリピンなどを成長市場と位置付けている。そして、フィリピンのバタンガス州にたばこ製造工場も建設している。ただ、フィリピンでは、米国フィリップ・モリスが圧倒的なシェアを有しており、JTはシェア拡大のために、当地シェア第2位の「マイティー」買収を検討してきたようだ。

 なお、この件に関するDOFの発表資料はそのホームページに「DOF studying Mighty Corp.’s settlement offer」というタイトルで掲載されている(http://www.dof.gov.ph/index.php/dof-studying-mighty-corp-s-settlement-offer/)。

(17年7月12日のフィリピン財務省や7月13日の日本たばこ産業株式会社発表などより)。