比パナソニック絶好調、純利益倍増の5.4億ペソ
売上約100億ペソに、年次報告書発表で株価急騰
2017/07/18
パナソニックのフィリピンにおける製造・販売拠点であるパナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンズ(PMPC、会計期末3月)は、7月14日、2016年度(2016年4月~2017年3月)の年次報告書を公表した。業績動向に関しては、既に暫定速報値が、5月16日、インカムステートメントとして公表されたが、今回の年次報告書の数値もそれとほぼ同じ数字となっている。そして、近年好調な業績が更に向上したことが表わされている。
(出所:PMPC年次報告書から作成)
パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンの製商品別売上構成比
(出所:PMPC年次報告書などから作成)
なお、PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)である。FMCは1965年に、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。すなわちパナソニックは、フィリピンで約50年もの長い歴史を有している。2017年には合弁企業創立50周年を迎え、2018年には本社パナソニックが創立100周年を迎える。
この間、フィリピンで初めての非水銀電池やフロンガス不使用の冷蔵庫の生産、家電メーカーとして初めてとなるISO9002、ISO14001認証取得など輝かしい成果を上げてきた。また、フィリピン家電業界をリードする一方、社会貢献活動やパナソニックの「アジア大洋州エコアイディア宣言」に沿った環境保全活動なども推進している。
PMPCの前身は1983年1月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場されている。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株8,472万株が上場されている。浮動株比率は14.91%。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2017年3月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。
好業績を背景に株価も上昇トレンドを辿っている。2016年の終値は5.10ペソであったが、2017年2月末には一時7.50ペソまで上昇した。その後、根固めの動きが続いてきたが、年次報告書が公表された7月14日の終値は前日比18%上昇の8.36ペソ(高値は9.20ペソ)へと急騰した。さらに、7月17日終値は同6.5%上昇、8.9ペソへと続伸し年初からの上昇率は74.5%に達している(PMPC年次報告書やPSE取引記録などより)。
2016年度の売上高は前年比22.8%増の99億7,428万ペソへと二桁増加、ほぼ100億ペソとなった。現地製造の家電販売が総じて好調で、冷蔵庫が同34%増、洗濯機が同29%増、ウインドタイプエアコンが同23%増、扇風機が同10%と二桁増加となった。また、LEDテレビ、大容量冷蔵庫などの輸入消費や向け製品も同37%増と大幅増加した。
一方、製造原価が18.8%増にとどまったこなどで、粗利益は同36.8%増の24億6,739万ペソに達した。所得税負担が同11.7%減少したこともあって、純利益は同113.5%増(約2.1倍)の5億3,584万ペソへと大幅増加した。
PMPCの業績は、2000年代の一時期の低迷期を抜け出て、2010年代は下表のとおり上昇トレンドを続けている。2016年度の純利益は2011年度に比べ9.2倍へと急拡大している。PMPCは先頃、主力の家電製品中心に拡販やシェア拡大を図ることで、年率20%の増収を続け、2018年度の売上高を2014年度比倍増の140億ペソ超とすることを目指すと表明している。特に、インバーター技術活用のエアコンや洗濯機の拡販を図っていく方針である。
項目 | 11年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 | 16年度伸び率 |
売上高 | 594,273 | 640,939 | 659.639 | 671,343 | 812,434 | 997,478 | +22.8% |
粗利益 | 142,356 | 168,913 | 173,238 | 142,566 | 180,352 | 246,739 | +36.8% |
税引前利益 | 8,712 | 16,247 | 20,152 | 21,695 | 39,969 | 66,721 | +66.9% |
所得税費用 | 2,902 | 7,862 | 3,947 | 5,437 | 14,872 | 13,138 | -11.7% |
純利益 | 5,810 | 8,384 | 16,205 | 16,258 | 25,098 | 53,584 | +113.5% |
パナソニック・マニュファクチャリング・フィリピンの製商品別売上構成比
製品 | 11年度 | 12年度 | 13年度 | 14年度 | 15年度 | 16年度 |
冷蔵庫 | 27.8% | 29.1% | 33.2% | 36.5% | 40.6% | 37.7% |
エアコン | 30.4% | 29.1% | 37.9% | 36.0% | 34.8% | 28.7% |
テレビ | 5.0% | 1.6% | 1.9% | 1.5% | 1.1% | 3.2% |
洗濯機 | 10.3% | 10.0% | 11.9% | 11.6% | 9.8% | 10.0% |
その他&輸出 | 26.5% | 30.2% | 15.1% | 14.4% | 13.7% | 20.3% |
合計 | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% | 100.0% |
なお、PMPCの起源は、1963年5月に設立されたフェスティバル・マニュファクチャリング(FMC)である。FMCは1965年に、プレシジョン・エレクトロニクス(PEC)と社名変更した。このPECと松下電器産業(MEI、社名は当時)が1967年にフィリピンで合弁家電企業を設立した。当初の合弁企業名はPECだったが、25年後の1992年にマツシタ・エレクトリック・フィリピン(MEPCO)と変更された。さらに、2005年に現社名PMPCへと再変更された。すなわちパナソニックは、フィリピンで約50年もの長い歴史を有している。2017年には合弁企業創立50周年を迎え、2018年には本社パナソニックが創立100周年を迎える。
この間、フィリピンで初めての非水銀電池やフロンガス不使用の冷蔵庫の生産、家電メーカーとして初めてとなるISO9002、ISO14001認証取得など輝かしい成果を上げてきた。また、フィリピン家電業界をリードする一方、社会貢献活動やパナソニックの「アジア大洋州エコアイディア宣言」に沿った環境保全活動なども推進している。
PMPCの前身は1983年1月にフィリピン証券取引所(PSE)に上場されている。現在、PMPCは額面1ペソの普通株式を約4億2,272万株発行している。そのうち、フィリピン人のみが投資可能なA株8,472万株が上場されている。浮動株比率は14.91%。日本のパソニック本社のPMPC保有比率は2017年3月末時点で79.96%である。パナソニック本社の保有するのはPMPCのB株である。
好業績を背景に株価も上昇トレンドを辿っている。2016年の終値は5.10ペソであったが、2017年2月末には一時7.50ペソまで上昇した。その後、根固めの動きが続いてきたが、年次報告書が公表された7月14日の終値は前日比18%上昇の8.36ペソ(高値は9.20ペソ)へと急騰した。さらに、7月17日終値は同6.5%上昇、8.9ペソへと続伸し年初からの上昇率は74.5%に達している(PMPC年次報告書やPSE取引記録などより)。