SMプライム時価総額、比企業初の1兆ペソ突破

2017/08/02

  フィリピン最大のショッピングモール・デベロッパーでありASEAN有数の総合不動産企業でもあるSMプライム・ホールディングス(SMPH)の株価が上昇基調を辿ってきている。それとともに、時価総額も順調に拡大している。

 SMPHの時価総額は6月9日に約1兆0,100億ペソに達し、フィリピン証券取引所(PSE)上場のフィリピン企業として初の1兆ペソを突破した。その後、利食いの動きなどで1兆ペソ台を割り込み9千億ペソ台の動きとなっていたが、7月26日に約1兆0,040億ペソと再び1兆ペソを突破、8月1日時点で約1兆0,079億ペソとなっている。7月31日には、PSEにてフィリピン企業初の時価総額1兆ペソ台突破記念セレモニーが開催された。

 SMPHは、流通・不動産・金融コングロマリットであるSMグループにおいて、長らくショッピングモール開発専業企業であった。モール開発企業としては断トツの存在であったが、その他の不動産開発事業は、他の企業に委ねられていた、しかし、SMグループは、2013年にグループの不動産事業を集約し、効率化、強化を図ることを決定、2015年にかけて、SMグループの旗艦企業であるSMインベストメント(SMIC)とその傘下のSMPHが、SMICの各種不動産事業を3段階方式でSMPHに集した。

 このようなSMグループの不動産事業のSMPHへの集約化やそれらに必要な資本拡充により、SMPHは事業規模、事業の多様性、時価総額などでは、アヤラランドと並ぶフィリピン最大級、ASEAN有数の不動産企業となったのである。事業や資本拡充、その後の株価上昇との相乗効果により、SMPHはフィリピン企業として時価総額最大企業となったのである。PSE上場のフィリピン企業の全時価総額は約13兆8.800億ペソ(外資企業も含めると約16兆8,500億ペソ)であり、SMPHは国内企業時価総額の7%超を占めている。

 ちなみに、親会社のSMICの8月1日時点の時価総額は約9,721億ペソで、1兆ペソ台を視野に入れている。そのほか、アヤラランドの約6,184億ペソ、アヤラコープの約5,373億ペソ、BDOユニバンクの約5,500億ペソ、BPIの約4,110億ペソ、PLDTの約3,537億ペソ、アボイティス・ベンチャーズの約4,279億ペソ、メラルコの約3,145億ペソ、グローブテレコムの2,813億ペソ、メトロバンク約2,785億ペソなどが上位を占めている。

 なお、PSEにはカナダの国際的保険会社であるマニュライフやサンライフもカナダ市場などと並行上場されている。マニュライフの時価総額は1兆8,983億ペソ、サンライフも1兆0,433億ペソで、国内企業トップのSMPHを上回っている(17年7月31日のPSEプレスリリースや取引記録などより)。